HOME > わが子のための指圧講座 > 22回 情動と理性脳(7)

情動と理性脳(7)

『情動と理性脳(3)』から『情動と理性脳(6)』までの要点をまとめてみます。
イメージ的に思い出してください。


  ・ホメオスタシスの改善には、自律神経失調の改善が必要。
  ・自律神経失調の改善には、情動と情操との摩擦の解消が重要。
  ・人が“人として生きる”ときに、情動と情操との摩擦解消は困難。
  ・動物脳(情動)が興奮すれば、如何なる状況でも交感神経優位となる。
  ・“情操の抑制”から解放されると、『正のフィードバック』が生じやすい。
  ・薬物により情報が遮断された状態で、正常な働きを求めることは可能か。
  ・情動暴走に拍車がかかる、カウンセリングの危険性。
  ・症状に苦しむ患者に、『情動エネルギー』を発散させる運動の要求は?
  ・自己暗示には、努力するたび落ち込み自分を責める危険性が潜む。
  ・不安定で、個人差の激しい患者に、マニュアル通りで成果が望めるのか。
  ・改善策は、動物脳(情動)の抑制ではなく“動物脳(情動)の制御”。
  ・五感への刺激は、理性脳(情操)を介さず、直接に動物脳(情動)を刺激。
  ・脳からの交感神経刺激は、刺激消失まで、交感神経を緊張させる。
  ・身体各部(末梢)からの刺激の多くは、『負のフィードバック』を生じる。
  ・自律神経の異常は原因が明確でも、患者自身の意思での制御は不可能。
  ・副交感神経への末梢由来の物理的作用は、語られることも少ない。


押圧法による臨床現場での実態

自律神経異常は原因が明確となっても、患者自身の意思では制御は不能です。押圧法を駆使することで、自律神経への『身体各部(末梢)由来』からの物理刺激は自在となり、交感神経や副交感神経への『身体各部(末梢)由来』からの物理的刺激は、動物脳(情動)や理性脳(情操)の状態に関わらず、独自の医学的再現性を発揮します。しかし、不定愁訴症候群とも呼ばれる自律神経失調症の症状は、交感神経緊張状態の継続(過緊張)により生じるため、動物脳(情動)や理性脳(情操)あるいは交感神経に考慮され、副交感神経や副交感神経への『身体各部(末梢)由来』からの物理的作用については語られることさえも少なく理論解析には高度な医学知識が不可欠となります。これらをイメージ的に理解しやすくするために、『てのひらの会・咲夢』の皆さんの体験にもとづき、教師猫の臨床現場からの実態を加え説明します。

疑問視してください

まず、『てのひらの会・咲夢』のご案内のなかに記載された、 〔暗号だそうです〕の“お母さんからの手紙”を読んで、信じがたい内容を拾い上げてください。

〔私も少し、拾ってみます〕

娘は講義中に眠ってしまい、平島先生から指圧をして頂いた時、寝ボケまなこでした。「あぁ、これは泣くな」と気を揉んでおりました・・・「気持ち良さそうに、ニコニコと受ける娘の姿を見て、私たちの目は点になってしまいました」

“お子さんに対する観察力”は、障害児のお母さんの方が健常児のお母さんより鋭いと思います。言わば、世界一の眼力で「あぁ、これは泣く」と予測した結果が覆されることなどあり得ないことでしょう。脳性麻痺児に関わる専門家であれば、「絶対にあり得ない」と笑い飛ばし、話題にもならない内容だと考えます。

初めて会った男の先生に全幅の信頼を寄せるなんて、感動するやら(妬けちゃうやら)とにかく感動してしまいました。

正直に申し上げますと、平島先生の腹部指圧を受ける娘の表情を見て、頭のなかが真っ白になりました。先生から「ちゃんと3歳児の認識力をこの子は持っていますよ」といわれた瞬間は体中に怒りがこみ上げてきました。怒りはショックに変わり、母親としての自信が音を立てて崩れていきました。

帰りの車中は放心状態でした。気持ちよさそうに寝息を立てる娘の表情を憎らしくも感じました。

自分たち以外のまして男性に全幅の信頼をよせるなど言語道断なのです。

拾い上げていくと限りがなく、全文を引用し説明する必要が生じます。
説明しても、所詮“暗号”ですから意味不明だと思います。

真実は

感想文は、批評を目的とする感想文というより、感謝の手紙です。では、なぜ、感謝の手紙に、 妬けちゃうやら・・・娘の表情を見て頭のなかが真っ白に・・・体中に怒りがこみ上げてきました。・・・怒りはショックに・・・自信が音を立てて崩れて・・・帰りの車中は放心状態・・・寝息を立てる娘の表情を憎らしくも・・・ などと綴られているのでしょうか。

ここに存在するのは、脳性麻痺児に関わる専門家が、「絶対に、あり得ない」と笑い飛ばし話題にもならないほど、別世界的な押圧効果の体験です。

『てのひらの会・咲夢』会員の全員がうなずける感想文を、同じ思いの方には“通じると信じて”・・・ と、冒頭に書かれていますが、この言葉に押圧効果に対するお母さんたちの思いの全てが凝縮されているように感じます。

前述

押圧法を駆使することで、自律神経への『身体各部(末梢)由来』からの物理的刺激は自在となります。交感神経や副交感神経への『身体各部(末梢)由来』からの物理的刺激は、動物脳(情動)や理性脳(情操)の状態に関わらず、独自の医学的再現性を発揮します。教師猫の臨床現場からの実態を加え説明します。

上記は“情動と理性脳(6)”の文末ですが、次へ進む前に、〔暗号だそうです〕の“お母さんからの手紙”を熟読し、押圧効果は別世界との認識を持ってください。





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