ホメオスタシス
ホメオスタシス(恒常性)機能
治療ってな~に。では、ホメオスタシスのイメージ的理解を促すため、やじろべえの復元力を例にしました。ホメオスタシスとは、生命体独自の恒常性機能です。
人の身体は外部環境(気温や湿度など)や主体的条件(姿勢・運動など)の変化に応じて体内環境(体温・血流量・血圧など)を、ある一定範囲に保つ機能を備えています。例えば、気温の上昇などで体温が上がると、汗をかいて体温を下げ、逆に体温が下がれば、筋肉を震わせるなどの方法で体温を上げて、体温を一定範囲に保ちます。このことを、“ホメオスタシス(恒常性)機能”と呼びます。別の言い方をすれば、身体が体内や環境の変化に対し、“常に安定を保とうとする”働きです。病気やけがなどから回復する力(自然治癒能力)なども含みます。
哺乳類では、主に自律神経と内分泌腺が“ホメオスタシス機能”を担っています。
フィードバック
『フィードバック』とは、あることにより生じた結果が、その次の結果の原因となる現象を呼びます。概説では正確さが欠けますが、イメージ的に理解してください。
フィードバックは、【負のフィードバック】と【正のフィードバック】に大別されます。
【負のフィードバック】
【負のフィードバック】とは、あることにより生じた結果が、その現象を逆の方向へ導くフィードバックをいいます。このシステムは、生物の体内諸器官が外部環境の変化などに応じて、体内環境を一定範囲に保つ働き(ホメオスタシス機能)を担います。先に挙げた『体温の恒常性』はその一例です。この機能により、様々な外部環境変化などに応じて、“体内環境を一定範囲”に保つことができます。身体の“ホメオスタシス”は、【負のフィードバック】により守られています。
【正のフィードバック】
【正のフィードバック】とは、あることにより生じた結果が、その現象をおし進める(亢進させる)方向へ導くフィードバックをいいます。当然、体内環境を一定範囲に保つ働き(ホメオスタシス機能)とは逆行しますが、生命活動には重要な役割を担います。【正のフィードバック】は怒りや恐怖などの“情動”と呼ばれている、身体に生理的変化を伴う“感情の一種”によるフィードバックで顕著となります。怒りが怒りを招き、さらなる怒りとなるのが、【正のフィードバック】です。
自然治癒能力
自然治癒能力は自己再生力と免疫力に大別することができます。双方とも生命活動の根幹を担い、ホメオスタシス機能に欠かせない、生命体独自のものです。
【自己再生力】
自己再生力とは、身体が自身で自分を再生(失われた自身の一部を再び作る)する力のことです。自己再生には、不完全再生と完全再生があります。さらに、完全再生には“過再生”や“超再生”と呼ばれる特別な再生もあります。
【免疫力】
免疫力とは、身体が身体に侵入した、様々な病原微生物に対して、抵抗する力のことです。自己と非自己を識別し、非自己から自己を守る機構能力などという難解な内容ですが、免疫力は“病気から自身を守る力”とイメージしてください。
教師猫の挑戦
現代社会のストレスとは・・・あるいは、現代病とは一体何か・・・漠然と語られるこれらを、指圧師の立場から、一般の方々に理解してもらえるレベルで解説し、 指圧(押圧法)の独自性や効果を伝えると共に、日々の『家庭指圧』の中で活用して頂くことを目的として、〔治療ってな~に〕から書き始めました。
“ホメオスタシス”とフィードバックや自然治癒能力の関わりは今後の説明の重要なキーワードとなります。現時点の説明では関わりが少ないこれらが、点と面でつながり集結し、上記した目的を達成するために、教師猫は挑戦していきます。