脳性麻痺児の指圧治療について
脳性麻痺児の指圧治療について、最も重要なことは、脳性麻痺児の脳及び指圧に対する先入観や固定観念を取り除き、結果を事実として認めることです。
人は環境に適応するために、能力を生後獲得していることを認識してください。様々な能力を獲得して出生すれば、それはすぐに役立ち便利かもしれませんが獲得していた能力と異なる環境(言語、気候、食物など)での出生は、危険でもあります。人は様々な環境に適応するために、様々な能力をその環境に合わせ生後、獲得する方法を選んだようです。さらに、獲得した能力を訓練により向上させる能力も備えています。
脳性麻痺児の運動機能障害は《運動機能を獲得する能力》が脳障害のために低下していることが起因だと考えています。この能力の低下がその後獲得できる能力の獲得を阻害し、訓練により向上させる能力さえも奪っていると考えます。
脳性麻痺とは、胎生期・新生児期等に生じた脳の非可逆的障害の後遺症です。学問的には非進行性だが半永久的に持続と定義されていますが、現実的にははなはだ疑問です。脳性麻痺の運動機能障害が、非進行性で半永久的に持続するか、否かは現実を直視すれば理解していただけると思います。
〔指圧研究会・咲晩〕の活動は不可能に対する挑戦などではありません。可能性の研究です。現在の私たちは、医学界を納得させるほどの脳性麻痺児に対する指圧治療結果や医学的理論を持ち合わせてはいません。でも、『てのひらの会・咲夢』の皆さんには確信していただける結果を示していると自負しております。
指圧上達の秘訣は結果を事実として認めることだと思います。