脳性麻痺と指圧
【脳性麻痺】(抜粋)
脳の発達過程で、非可逆的脳障害により生じた運動障害の総称。
通常半永久的に持続し、非進行性である。
出生前、周産期、出生後の種々の原因によって生じる。
私たち[指圧研究会・咲晩]の脳性麻痺に対する着眼点は、非進行と定義されるも運動機能低下の進行が観察され、患者の実態が成人の脳血管障害と異なることや発症原因の多くが脳性麻痺児の現状を的確に説明できない点です。
私たちは脳性麻痺児の現実を調査分析することにより、そこに“脳性麻痺”と“脳性麻痺による疾患”が存在するという考えに至りました。
“脳性麻痺による疾患”の主たる原因は、不動性萎縮、過緊張、伸長反射等を中心とした悪循環と考えることができます。これらは、全て指圧の適応症です。
“脳性麻痺”の治癒は不可能です。“脳性麻痺による疾患”の改善は可能です。私たち[指圧研究会・咲晩]の研究は不可能への挑戦ではなく、不可能ではない“脳性麻痺による疾患”に対する合理的な指圧法の確立です。
人が直立した結果として脳は巨大化しました。胎児の脳もそれに追従することを余儀なくされました。さらに人に限り出産時に課せられた骨格筋の宿命や神経線維の再生、シナプスの再配置等と指圧の適応性を考慮すれば、脳性麻痺児の運動機能向上は指圧により可能と確信しております。
“脳性麻痺による疾患”の認識が将来の運動機能獲得への第一歩と考えます