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便秘で困ってます

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便秘で困ってます

投稿者:しじみ 投稿日:2005/05/23(Mon) 01:23 No.644

80才の女性の患者さんなのですが、便秘で困っています。

「フッ、便秘ならば腹部指圧だろうが」と皆さん思われるかもしれませんが、かなりの重症なのです、
痩せ型で食が細く朝、昼などはパン半切れと飲み物といった具合です、
医師からは 一日2�#の水を飲むようにいわれてますが、半分も飲めないようです。
下剤と浣腸は日常的に使用しています。
どうにもならない時は「病院に入院して掻き出す」のだそうです。
これを聞いたら「なんとかしたい」と思わずにはいられなくなりました。

患者さんは、脊柱管狭窄症があるので家の中を歩くのがやっとです。

毎回、腹部を施術しているのですが、思うようにはいきません、
施術としては、背部、腰部、下肢も行っております。
施術時間は30分位です。

なにかアドバイスを頂けるでしょうか。

Re:便秘で困ってます   投稿者:教師猫 投稿日:2005/05/23(Mon) 13:30 No.645

しじみさん。こんにちは。

80才の女性。痩せ型で食が細い。下剤と浣腸は日常的。脊柱管狭窄症.
さらに時は「病院に入院して掻き出す」ですか・・・。

内臓下垂や腹圧の低下も想像できますし、あまり、力むと血圧上昇も気になりますし、
手強い便秘のようですね。

便秘に腹部指圧が有効なことに変わりはありません。
便秘の施術部位はS状結腸が中心ですが腹腔神経叢を狙ってください。


>医師からは一日2�#の水を飲むようにいわれてますが・・・

「1日2リットル(以上)」と書いたのが文字化けしたようですね。
渇きを訴えにくい老人の場合、摂取は困難です。
水分の水温の違いによる、胃腸での刺激や吸収さらに停留時間の違いを利用してみましょう。

起床時に太陽光(外光)を浴び、身体を覚醒させ体内時計を整えることから始めてください。

長くなりますので、教師猫のQ&Aに書き込みます。

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お答えします。

え~お答えします・・・どういうこと?・・最近の教師猫は少し変わったのかな・・・? 徹底的に個人情報を駆使し、治療や質問に対しても個々に対応している教師猫が、こんな条件に返答するのだから???

理由はともあれ、答えてくれるのなら・・・良しとしましょう。


便秘と便秘症

便秘とは大便が滞ることで、排便困難や腹部膨満・不快感等の症状を伴う場合を“便秘症”と呼びます。通常は1日1回排便がありますが、仮に週に1回でも症状がなければ医学的に問題はありません。

便秘には急性・慢性があり、器質性便秘と機能性便秘に分類することができます。器質性便秘の多くは別の病気(が原因)で腸の内腔が狭くなっていることが原因で生じる“二次的疾患”です。

一般に便秘症と呼ばれ、女性が悩まされる便秘の多くが慢性的な機能性便秘で、常習性便秘と呼ばれています。常習性便秘は、腸の緊張が高まり、痙攣性の収縮を起す痙攣性便秘と腸の蠕動運動が弱い弛緩性便秘に分けられます。痙攣性便秘は便がウサギの糞状で左側腹部痛や下痢を伴ったりします。

【注意】
痙攣性便秘と弛緩性便秘では対応が異なりますので判別は重要となります。 習慣的に便意を我慢し、便意を感じなくなり生じる、直腸性便秘を便宜上省きますが、弛緩性便秘と同じ対応を取ってください。


指圧による対応

腸の内腔が狭くなっていることが原因で生じる、器質性便秘の多くは外科手術を必要とし、外科手術により改善されます。後遺症によるものを除けば、指圧では対応しません。器質性便秘へ対応する場合は個々にアドバイスしますので、メールで連絡してください。

【痙攣性便秘への対応】
痙攣性便秘は、腸の痙攣性収縮で生じ、糞槐はウサギの糞状で左側腹部痛や下痢を伴ったりします。腹部指圧は効果的ですが、『広い弱圧』が中心となります。激しい『ディファンス』も特徴的です。硬結に対する三指や母指による『深い局所圧』は逆効果となります。特に、糞槐への加圧は厳禁です。最初に『ディファンス』を避け、触診程度の腹部掌圧を行います。直ぐに肩甲間部・肩甲下部に移り、伸張性の硬結を探し『深い強圧』を加えてください。伸張性の硬結への『深い強圧』は“加圧対象の筋”ではなく、加圧対象筋を“伸張させた筋”に作用し、加圧対象筋を“伸張させた筋”を弛緩させます。結果として、“加圧対象筋”内に硬結が出現します。この硬結を母指による『深い弱圧』で対処してください。

「便秘といえば、十分な食物繊維と水分の摂取」といわれますが、痙攣性便秘では“逆効果”の場合も、稀ではありません。特に、過剰な食物繊維や冷水の摂取には十分な注意が必要です。


【弛緩性便秘への対応】
弛緩性便秘が常習性便秘の代表ともいえる最も患者の多い便秘です。腸の蠕動運動が弱まって生じ、女性・高齢・筋力低下・痩せ型・内臓下垂・食が細い・薬剤の使用(下剤や浣腸)等の悪条件や直腸性便秘(排便リズムや便意の喪失)が悪化を招きます。対応法としては、腹部の掌圧が中心となりますが、硬結部への三指や母指による『深い弱圧』や腹腔神経叢や腹部大動脈への『浅い強圧』がより効果的です。腹部掌圧後の前頚部への母指圧が最良手段ですが、高度な押圧技術が不可欠です。容易に、胸鎖乳突筋を避ける自在な加圧技術を習得するまでは禁止します。

指圧で比較的容易に対応できるのが機能性便秘です。なかでも、弛緩性便秘は少ない個人情報でも“対応が可能”で、患者自身による自己指圧も有効です。〔患者指導を忘れないように〕


〔備考〕

常習性便秘の治療には生活習慣や運動の改善も重要となります。逆を返せば、患者さんは常習性便秘の苦しみから逃れるために、生活習慣や運動を改善すれば良いのです。しかし、このことが患者さんにとって困難を極めている場合も少なくありません。簡単な工夫が改善のキッカケとなる場合があります。

  ・起床時に太陽光(外光)を浴び、身体を覚醒させ体内時計を整えることを行なってください。
   朝食後の排便習慣の獲得は重要です。起床結腸反射の促進にも有効です。

  ・起床時にコップ1杯くらいの冷水(牛乳やジュースも可)を飲む習慣をつけましょう。
   胃結腸反射が促進され朝食後の排便がスムーズになります。

  ・渇きを訴えにくい老人の場合水分の摂取は不足になりがちです。 水分の水温の違いによる、
   胃腸での刺激や吸収さらに停留時間の違いを利用してみましょう。

  ・夜間排尿を嫌い、夕食後の水分摂取を控えることを止めましょう。便秘解消のみならず、
   排尿後は水分摂取を習慣とすることで、脱水による脳梗塞や心筋梗塞を予防できます。





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