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女性とは
通常、女性という用語は、人間の性別の一つであり、男性でない方を表し、生物学的な性別を示すセックス(sex)に対して、社会的・文化的に形成される性別(ジェンダー・gender)を表す用語として一般に広く用いられています。
しかし、人間の性の決定には、遺伝子の性・外性器の性・脳の性・社会的性等の要素が相互に作用します。さらに、性そのものが、二分できるものではありません。そのため、女性という用語を安易に定義することは困難と考えます。
ここでは、生存競争を勝ち抜くために進化した現生人類と、近縁種でありながら進化を留めたまま生存競争を勝ち抜いたオランウータンとを比較し、現生人類の雌に生じた進化や進化によって生じた定めについて概説するため、まず、“女”と“女性”、さらに“男”と“男性”を独自の定義で区別します。なお、ここで言う哺乳類とは、有胎盤類を指します。
雌雄の区別法に、有する配偶子の大きさを比較し、大きな配偶子(卵子)を持つ方を雌と呼び、小さな配偶子(精子)を持つ方を雄と呼ぶ手段があります。ここでは、この単純な区別法に準じ、哺乳類の性を雌雄に二分し、単に妊娠のための器官を有する方を雌と呼び、単に妊娠させるための器官を有する方を雄と呼びます。
発情期と呼ばれる間歇的な期間を有し、この期間のみ妊娠可能な状態となり、生殖欲が発動し、交尾相手を求め能動的な生殖行動を行う雌を“女”と呼び、発情期と呼ばれる間歇的な期間が無く、恒常的な性的行動が可能な雌を“女性”と呼びます。
なお、“男”とは、発情期と呼ばれるような定まった期間は無く、雌の発情の影響を必須として激しい生殖欲を発動し、受動的に交尾し、雌を妊娠させることが可能な雄を呼びます。また、雌の発情の影響を必須とせずに生殖欲が発動し、交尾相手を求め能動的な性的行動を行う雄を“男性”と呼び、時にその行為はレイプにもおよびます。哺乳類の雄のおおよそは“男”ですが、高等に進化した類ほど“男性”の比率が高まります。また、“女”や“男”の生殖行動は、自らの配偶子を存続させることを目的としていますが、“女性”や“男性”の性的行動はその目的のみに留まるものではありません。
女性に進化した現生人類の雌
現生人類の雌を女性に進化させたのは、現生人類が獲得した「巨大な脳」によるものだと考えます。ここでは、近縁種でありながら、妊娠可能周期を哺乳類の中で最長(6~9年に1回)に進化させて “女”に留まったオランウータンの雌と最短(1年に13回)に進化させ“女性”となった現生人類の雌を比較し、人類進化の過程で背負った宿命から、現代女性の健康管理に必要不可欠な根本的条件を導く糸口を見つけたいと考えます。
オランウータンの雌雄の体格差(性的二形)や雄のお洒落(強い雄のみが持つフランジと呼ばれる頬の張り出し)から、当初の婚姻形態はゴリラと同様の一夫多妻が推測できますが、現在では乱婚です。しかし、それはチンパンジーの“群れるための乱婚”ではなく、妊娠確立を高めるための “実質的な乱婚”だと考えます。
オランウータンは、最大の樹上動物で、雌1頭で妊娠から育児期間(6~7年間)を捕食者に怯えることなく、安全に狩猟採取ができる生息域を確保しています。そのため、個体の生存に雄を必要としません。また、雌の発情(妊娠可能な状態)は6~9年に1回だけで、この期間の雌は“女”となり交尾相手を求め能動的な生殖行動を行います。
しかし、雄は他の近縁種のおおよそと同様に“男”に留まらず“男性”に進化しました。雌の発情とは無関係に生殖欲を発動し、成熟した雌に対し、その行為はレイプにもおよびます。乱暴な表現ですが、オランウータンの雌は、配偶者から受ける暴力(DV・ドメスティック・バイオレンス)被害から身を守るために単独生活を送り、その結果、雄も単独生活を送るようになったと考えます。
それに引き換え、現生人類を取り巻く環境は、数多くの捕食者に怯えながら、慢性的な食糧不足に悩まされるという状況で、妊娠や育児中の雌であれば、捕食者から単独では逃れる術さえ無いという最悪でした。この逆境を生き抜くために現生人類の雌は、妊娠可能周期を哺乳類中最短(1年に13回)に進化させ“女”から“女性”となりました。