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小児喘息について

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教えてください  投稿者:いきぎれ 投稿日:2005/05/10(Tue) 00:23 No.624

こんばんは。いきぎれと申します、始めて書き込みさせていただきます。

指圧で喘息の治療とはどのようにおこなうもなのでしょうか?
また、もしできれば、家庭でできる指圧を教えていただきたいのです。

よろしくお願いします。

Re: 教えてください    投稿者:教師猫 投稿日:2005/05/10(Tue) 00:54 No.625

いきぎれさん。ようこそ。
美味しそうな、質問をありがとう。

喘息の発作時は専門家に委ねるのが原則ですが、日常生活が送れる状態なら 指圧は有効です。
発作予防だけでなく、治療にも効果があります。

喘息は、いきぎれさんの病気ですか?患者さんの性別や年齢等の患者情報を教えて下さい。

Re: 教えてください    投稿者:いきぎれ 投稿日:2005/05/10(Tue) 11:33 No.626

お返事ありがとうございます。患者はもうすぐ4歳になる娘です。
病院のお薬は飲んでいますが、最近では発作は起こさなくなりました。
成長すれば自然に治ると聞いていますが心配です。他に食べ物のアレルギーがあります。

良い方法を教えて下さい。

Re: 教えてください    投稿者:教師猫 投稿日:2005/05/10(Tue) 14:32 No.627

いきぎれさん。 近々書き込みますので、少し待ってください。

小児喘息とは、気管支の筋肉が収縮し、息を吐きにくくなる(呼気性呼吸困難を起こす)病気です。
成長と共に気管支が太くなり症状は軽快し、約半数が思春期までに治ります。
発作がなくなり、元気に生活していると治ったと考えがちですが、素人判断は危険です。
いくら元気でも、ピークフロー(努力性呼気における最高の流量)の数値が正常にならない限り、治ったとは考えないでください。

家庭での指圧法については、れいの場所に近々書き込みます。
トップページの最新更新欄でお知らせします。

指圧によってピークフロー値を上昇させることができます。
これは、ご家庭でもできますので頑張ってください。

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お答えします。

小児喘息と自然治癒について

小児喘息(小児の気管支喘息)は、アレルギー・自律神経異常・内分泌異常・心理的因子などの原因により、気管支の筋肉(平滑筋)が収縮し、空気の通り道(気道)が狭くなり、呼吸の時にヒューヒューとかゼイゼイといった喘鳴を伴い、息が吐きにくい(呼気性)呼吸困難を生じる病気です。成長と共に気管支が太くなり軽快することもみられます。さらに、牛乳・卵などの食べ物(食餌性抗原)に対するアレルギーも、消化・吸収機能の向上により緩和していきます。これらにより約半数が思春期までに治ります。

説明が前後しますが、小児喘息の原因の多くは、食物アレルギーによるものです。アレルギーとは体外から進入または体内で発生した異物(体組織となじまない物質)に反応して、体内で形成された抗体と呼ばれる物質が生体に不利に働く場合を呼び、抗体が生体に有利に働く場合を免疫と呼んでいます。食物アレルギーとは、生体に抗体を形成させた原因の物質(異物)が食物に由来する場合を呼びます。 飲んだ牛乳が、消化されないまま吸収されて、血液中に混入すれば、これは、生体にとって異物です。生体は未消化の牛乳を細菌等と同じ異物(体組織となじまない物質)と判断し、未消化の牛乳に対する抗体を形成します。この反応(抗原抗体反応)により形成された抗体は生体に対し不利益に働きます。乳幼児は、消化や吸収の機能が未熟なため、食物が未消化のまま吸収されやすく、食物アレルギーを発症しやすいことを理解し、食材等にも配慮した対応を行なうことは重要です。

〔注意〕
喘息は(気管支平滑筋の)収縮と説明しましたが、正確には攣縮です。
さらに、気管支粘膜の腫れ(腫脹)なども観察されますが、ここでは省きます。


発作と習慣性

小児喘息の発症原因に関わらず、喘息発作には自律神経の異常緊張が最も関与すると考えられます。さらに、喘息発作は繰り返すほどに習慣性が強くなります。時には、他人の発作や保護者の不安な表情さえ発作の引き金(誘因)となります。自律神経の異常緊張は、アレルギーによっても生じますが、喘息発作の不安や苦痛は心理的因子となり、さらなる 自律神経の異常緊張を引き起こす悪循環の原因ともなります。小児喘息はそれらの原因がそれぞれ自律神経の異常緊張を引き起こし、さらなる自律神経の異常緊張を引き起こす悪循環の原因となり、喘息発作はそれらを助長し習慣性を招きます。


発作の改善と治癒

小児喘息の改善を成長に伴う“気管支の拡張”や消化吸収の機能向上による“食物アレルギーの改善”などに期待し、その間を発作への対応法(対症療法)でしのぎ自然治癒を待つのが一般的のようです。

指圧(押圧法)では、手指による押圧刺激で自律神経に直接対応し、自律神経の異常な緊張(過緊張)緩和に、より積極的に関わっていきます。このことにより、喘息発作の改善のみならず、スポーツ訓練や食事療法等で困難とされる、ピークフロー値の向上や正常化を臨床現場で実績として獲得しています。


家庭での指圧法

臨床現場の指圧師は、患者さんの症状を他覚的診断にて個別に把握し、最善の対応策を選択します。ここでは、保護者(お母さん)がわが子に行なって最も安全で有効な指圧法を指導します。

最初に、手指と圧法の名称を参照し、手指と圧法の名称を覚えてください。
次に、安全に指圧を行なう注意を参照し、注意事項を確認し守ってください。
さらに、押圧操作はなぜ腹部からをテキストとし、腹部操作の実技に沿って、諸注意を守り腹部指圧を行ってください。

“押圧操作はなぜ腹部から”では、受け手の姿勢は上向きに寝かせた状態(仰臥位)で行いますが、喘息患者は“抱っこの姿勢”がより安全です。“抱っこの姿勢”で指圧を行ってください。


“抱っこの姿勢”での腹部指圧法

“抱っこの姿勢”での腹部指圧は、絶対的な信頼関係が必要ですから、保護者(お母さん)がわが子に行なう場合は容易で有効な手段です。但し、家族等の目に対する“照れ”等にも十分配慮し、無理強いは絶対にしないでください。お子さんが拒否する場合は、逆効果もありうるという認識を持ってください。

お母さん方は利き手のてのひら(手掌)または三指で行なってください。施術時間はお子さんが拒否しない場合でも10~15分位を目安としてください。



支え腕のテクニック

“抱っこの姿勢”腹部指圧では、受手(わが子)の体を支える“支え腕”操作にも注意が必要となります。“支え腕”操作に必要なことは、抱きかかえることです。一般に保護者が乳児を抱きかかえて散歩する程度の安定した精神的支持力が必要です。もちろん、施術者の姿勢は坐位ですから、受け手に転落の危険性はありませんが、受手が体を委ねても安定した支持力や対応が必要です。押手の胸や肩・腕を受手に密着させ、時折、肩を抱く操作を行なってください。容易に受手の精神的安心感が得られます。


“抱っこの姿勢”での腹部指圧の危険性

重複しますが、“抱っこの姿勢”での腹部指圧には、絶対的な信頼関係が必要です。絶対的信頼関係がない状態での施術は容易に過緊張を引き起こし、突然の喘息発作の誘引にもなり、非常に危険です。読者の未熟な技術や安易な認識による“抱っこの姿勢”での腹部指圧を厳重に禁じます。

いきぎれさん。疑問や質問はお気軽に、 教師猫e-mailへメールください。教師猫は待っています。



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