不動性萎縮の防止や、運動機能習得訓練を行なう心得
不動性萎縮は廃用性萎縮とも呼びます。わかりやすく極端な表現ををすれば、体中のほとんどの器官が「使わなければ、使えなくなってしまう」と言うことです。男性の前立腺以外は全て萎縮します。(前立腺は肥大)
ここでは、関節(骨)と筋肉についての不動性萎縮防止について説明します。
不動性萎縮による機能低下は悪循環を起こし、さらに不動性萎縮を招きます。 悪循環の中での運動機能習得は非常に困難であることを再認識してください。
機能低下を防ぐ唯一の方法が「働かせること」とだと理解してください。具体的には個人指導いたします。ここからの説明は皆さんに「イメ-ジ的に理解していただくこと」を目的としています。
関節の機能低下を防ぐには、関節を働かせる(機能させる)ことです。すなわち、関節を動かせば良いのです。動かす方法は他動的でも自動的でも構いません。関節は動けば機能したことになります。
しかし筋肉では事情が異なります。筋肉はいかに他動運動を行なっても筋肉のストレッチ運動にはなっても、筋肉を働かせたことにはなりません。なぜなら筋肉の働きとは「収縮すること」だからです。筋肉を働かせる為には自動運動か抵抗運動が必要です。安易な他動運動は伸張反射を亢進させ、他動時に単に力を抜くことを患者が覚えるだけで、機能習得訓練(学習)にはなりません。
筋肉の機能習得訓練には、自動運動か抵抗運動を行なわなければ効果は望めないことを理解してください。筋肉の機能習得訓練を効率良く行なうためには、機能習得訓練を行ないやすい状況を作り出す必要があります。この時に大切なことは、患者の心身のリラックスです。心身のリラックス効果を得るのに最も効果が期待できるのが押圧法による「腹部指圧」です。