抗重力ブラ・12
伸長負荷に対する皮膚の性質
皮膚には、“引っ張られると伸びる”という性質があることは、抗重力ブラ・9で述べましたが、専門的には、「苦痛を伴わない程度の負荷となる持続的な伸張力が皮膚に加わると、皮膚はその生理的な性質に従い伸びていく」となります。また、皮膚には、“負荷となる伸張力が減少すると縮む”という生理的性質があります。
この皮膚の持つ生理的性質を、妊婦の腹部を例として説明します。
妊娠経過に従い、胎児の重さは増加していきます。この胎児の重さの増加は、妊婦の腹部の皮膚に対する、体内からの苦痛を伴わない程度の負荷となる持続的な伸張力となります。すると、腹部の皮膚は、苦痛を伴わない程度の負荷となる持続的な伸張力が加わると伸びるという皮膚の性質に従い、伸びていきます。
妊娠後期に、妊婦の腹部の皮膚(表皮の下の真皮や皮下組織)にできる亀裂を妊娠線と呼びますが、これは、体内からの負荷となる伸張力の急激な増加に、腹部の皮膚(表皮の下の真皮や皮下組織)の伸びが追いつけず、伸びきれなかったために亀裂が生じたもので、妊娠より皮膚の性質と深く関わっています。同様の現象は、男女問わず、成長が著しい場合や急激に太った場合にも生じます。また、腹部に限らず、どの部位にでも生じます。
出産直後の腹部の皮膚は伸びたままで、著しくたるんでいます。しかし、時間の経過と共に縮み、腹部の形状は、妊娠前の体型へと近づいていきます。これは、胎児による腹部の皮膚への持続的な伸張力が出産により消失し、腹部の皮膚が“負荷となる伸張力が減少すると縮む”という皮膚の持つ生理的性質に従った結果です。
乳房下垂の予防と改善
バストを押し上げると、バスト上部の皮膚はゆるみます。これは、バストの重さで、バスト上部の皮膚が引っ張られていた証でもありますが、バストを押し上げることによってできた“バスト上部の皮膚のゆるみ”は、乳房下垂改善の第一歩となります。
乳房下垂の予防には、皮膚の持つ“引っ張られると伸びる”という性質を封じることができれば十分です。しかし、乳房下垂改善のためには、皮膚の持つ“負荷となる伸張力が減少すると縮む”という生理的性質を働かせる必要があります。この性質を働かせるためには、バストを持続的に押し上げることが必要です。
バストを持続的に押し上げることができれば、バスト上部の皮膚への持続的な伸張力は減少します。抗重力ブラは、バストを軽く持ち上げた位置にバストを留めます。このことにより、バストの重さによって生じていたバスト上部の皮膚への伸張力を持続的に減少させます。すると、“負荷となる伸張力が減少すると縮む”という皮膚の生理的性質が発揮され、バスト上部(抗重力ブラ・9の図斜線部分)の皮膚が縮み、乳頭位置は高くなり、乳房下垂が改善されていきます。
写真右は、抗重力ブラを4か月程度使用した結果です。
抗重力ブラの「バストを軽く持ち上げた位置にバストを留める」機能により、バスト上部の皮膚への持続的な伸張力を減少させ、“負荷となる伸張力が減少すると縮む”という皮膚の生理的性質を発揮させた結果です。
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