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汗のはなし

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汗のはなし

汗のはなし  投稿者:サリー 投稿日:2005/07/31(Sun) 17:05 No.716

通勤中毎日暑くてたくさん汗をかくので、化粧崩れが激しくて…。
屋外は暑いし、室内は寒いし。教わった通り水分は摂っています。
教師猫先生~。この汗なんとか止めてください。…無理か。

Re: 汗のはなし  投稿者:教師猫 投稿日: 2005/08/01(Mon) 00:35 No.719

サリーさん。いらっしゃい。
今年の暑さも厳しいですね

>教師猫先生~。この汗なんとか止めてください。…無理か。

汗を止めることは、無理ですし、止めてしまったら汗の意味がありません。
汗について、こちらに少し書いてありますので、読んでみて下さい。

こちらに少し書いてあるのは、インデックス程度の内容ですから、再質問は受け付けます。

それとも

>化粧崩れが激しくて…。

に対する対策などの質問だったのでしょうか?

もう少し、具体的な質問を待っています。

Re: 汗のはなし  投稿者:サリー 投稿日:2005/08/01(Mon) 13:16 No.721

>化粧崩れが激しくて…。に対する対策などの質問だったのでしょうか?

そうです。これです。こっちの方です。お願いします。

Re: 汗のはなし  投稿者:教師猫 投稿日:2005/08/01(Mon) 21:11 No.722

サリーさん。

>こっちの方・・・

ですか。

顔の汗を抑えて、化粧崩れを防ぐためにブラジャーを利用するのも1つの方法だと思います。

れいの場所に書き込んでおきます。

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お答えします。

>通勤中毎日暑くてたくさん汗をかくので、化粧崩れが激しくて…。

こんな悩みでお困りのサリーさんへ教師猫が臨床の場からお答えします。
〔サリーさんを20~30代の特別な疾病のないOLと想定〕


汗の種類

Q 「いい汗かこう」と言いますが、いい汗とはどんな汗ですか?〕でもふれましたが、汗には、大別すると体温調節のための散熱性発汗(温熱性発汗)と精神的に緊張した時に出る精神性発汗との2種類の汗があります。なお、体温調節には皮膚の表面から水分がしみ出す「不感蒸泄」もありますが、ここでは体温調節のための散熱性発汗(温熱性発汗)による、顔面の汗から書いていきます。

臨床現場では、なかなか教科書通りにはいきません。いくつかを組み合わせてみてください。


顔面からの発汗

体温調節のための散熱性発汗は全身各部で生じますが、顔面の汗は、単なる散熱性発汗だけでなく、“脳温”に関わる特別な役割を担っています。体温調節で重要なのは、深部体温(核心温度)と呼ばれる体深部温度の安定維持です。深部体温は、体内の解毒や消化などに関わる酵素が効率良く働く温度(37℃)を維持する必要があります。深部体温が下がると体内の酵素が効率良く働けず、様々な悪影響が生じます。さらに重要なのが、“脳温”の安定で、脳温の上昇は容易に生命維持さえも困難とします。

脳は説明不要なほど重要な器官ですが、強度は“木綿豆腐”程度で、頭蓋骨に包まれ守られています。しかし、このことは脳温上昇に対する脳の防衛(直接的散熱)を困難なものとしています。ここで、重要な役割を担っているのが顔面の血管です。脳温の上昇を防ぐため、顔面で血液を冷却し脳へ供給します。
脳は頭蓋骨により衝撃から守られ、顔面の汗により高温から守られていると認識してください。


うつ熱による顔面発汗

臨床現場で最も遭遇するのは、生活習慣やサリー さんのように“屋外は暑いし、室内は寒いし。”という劣悪な環境によって、“うつ熱”による、脳温の上昇を防ぐために生じる顔面の発汗があります。

室内の冷やし過ぎや屋外との著しい温度差によって、体表から急激に体温が奪われることを防ぐため、皮膚表面の血管が急速に収縮を起こします。このことで、体表からの適切な散熱が阻害され、身体は“うつ熱”状態となります。“うつ熱”による深部体温(核心温度)の上昇を放置すれば、脳温上昇といった重篤な事態を招きます。急激に体温が奪われることを防ぐため、皮膚表面の血管が急速に収縮を起すと前記しましたが、たび重なる過剰(急激)な末梢性交感神経(温度覚)刺激は動物脳(情動)を刺激し、動物脳(情動)由来の交感神経刺激となって心身の過緊張状態を招いていると理解してください。

脳温上昇を防ぐ手段は、顔面の血管を拡張や顔面発汗による血液冷却手段となります。
この結果が化粧崩れを招く多量の顔の汗であることはおわかりですね。

【対応法】
急激な温度変化を避けてください。たび重なる過剰(急激)な末梢性交感神経(温度覚)刺激は動物脳(情動)を刺激し、動物脳(情動)由来の交感神経刺激となり、自律神経失調症へ導きます。

 ・肌が直接外気に触れる部分が少なく、通気性のいい服装をする。
 高温多湿な日本の気候では、半袖・半ズボン姿が暑さ防止や体温調節有効とは限りません。
 高温の直射日光や照り返し、あるいは冷風にさらされることを予防してください。

 ・肌に密着した下着を使用する。素材は無吸水性(無吸湿)素材を使用したものとする。
 下着の着用は「暑い」と考えられがちですが、高温多湿の日本の気候では有効です。
 無吸水性素材を使用した下着を肌に密着させることで、衣服下気候が安定します。
 慣れることで、気候順化能力や体温調整効率が向上し、発汗効率も上昇します。

 ・腹部指圧が有効です。就寝前の『のの字』の自己指圧を欠かさないことです。

【備考】
〔就寝時の注意〕
就寝時の暑さを避けるために、手足を寝具から出す行為は質の良い睡眠の妨げとなります。特に、冷房の効いた部屋で就寝したのに「夕べは暑かった」などとは、おかしな話です。睡眠の妨げばかりでなく、自律神経失調症の原因ともなりますにで十分に注意してください。

〔乳幼児に対する注意〕
乳幼児の環境温度には、うつ熱と散熱への配慮が必要です。特に冷房環境下では“冷え”に十分配慮してください。汗腺数には人種差や個人差は少ないのですが、生後ほぼ二夏(三歳位)で機能する汗腺と機能しない汗腺に分かれます。乳幼児期に、十分に発汗の学習訓練を行ない将来に備えてください。


皮膚圧反射

>顔の汗を抑えて、化粧崩れを防ぐためにブラジャーを利用するのも1つの方法だと思います。
と掲示板で答えましたので、『皮膚圧反射』とブラジャーについて説明します。

【皮膚圧反射】
片側の皮膚部位を圧迫すると、反射的にその側の発汗が抑制され、反対の汗が代償的に増加します。この反射機構を『皮膚圧反射』または『半側発汗』と呼んでいます。厳密には、圧迫する皮膚部位や箇所(一箇所か複数箇所)さらには、単独か同時圧迫するかによって、発汗部位が様々に異なってきますが実用には右側を圧迫すれば左側で発汗、上半身を圧迫すれば下半身から発汗すると覚えてください。但し、後側と前側の間に皮膚圧反射は生じません。後側を圧迫しても、後側の発汗が抑制され、前側から発汗することはありません。(仰向けに寝ても背中の汗が全体的に減ることはありません)


顔面からの発汗抑制

皮膚圧反射を利用し、顔面からの発汗を抑えるためには、上半身を“左右から同時”に圧迫する必要があります。特に側胸部や肩甲骨部が敏感です。このとき有効なのが、“ブラジャー”です。ホックを内側に止めることで“側胸郭”を圧迫し、顔面(上半身)の汗を抑制して下半身からの発汗を促します。

【注意】
上半身を圧迫すれば、下半身から発汗すると説明しましたが、顔面からの発汗を抑えるための“部位”を覚えてください。腋下を圧迫すれば頭部から臍部位までの汗を抑制します。10番肋骨を圧迫すれば、抑制部分が下方にずれ、下腹部も抑制できるのですが、頭部の発汗抑制が低下する場合があります。

下半身の圧迫は、“顔面からの発汗”を促します。ウエストをベルトで強く締めないでください。コルセットやガードル、締め付けられるスカートやパンツ、パンストや靴も考慮してください。片足立ちや半分椅子に腰をかけるのも要注意です。

“ブラジャー”のホックを内側に止めること(上半身の圧迫)で、顔の汗を抑え、化粧崩れを防ぐ手段は、あくまで、体温の上昇が少ない状況に限ります。運動中などでは、体温調節を優先するため効果がないばかりか、発汗抑制による『深部体温』の急激な上昇がみられ、“熱中症”の原因ともなります。

“ブラジャー”のホックを内側に止め、アンダーバスト部を圧迫することは、ある意味で“胸式呼吸”を阻害することにもなりますので十分な注意が必要です。特に、不適切なサイズのブラジャーの使用は肋骨の変形などの健康を害する要因になりかねません。しかし、持続的な適切な圧加減を利用することにより、“上部胸式呼吸”の獲得や“バストアップ”などのプロポーションの改善を行なうことも可能となります。〔ダイ作戦シスターズに代表される、バストアップやプロポーション改善の秘訣はこのことと、指圧です〕

【指圧法】
胸部上部・前頚部を重点的に、前頚部・側頚部および胸部の基本圧点を自己指圧します。
いかに時間がないときでも、鎖骨下部・胸骨部の自己指圧だけは忘れずに。


交感神経優位による顔面の発汗

汗には、体温調節と精神的に緊張した時に出る、精神性発汗との2種類があることを前述しましたが、精神性発汗は、別名「情動性発汗」とも呼びます。情動興奮に伴う交感神経優位(緊張)の作用により、主に手掌や足底から発汗しますので、顔面の汗とは直接は関わりませんが間接的な関わりがあります。(お願い:額に精神性発汗を伴う例などは除いてありますので、混同しないよう注意してください)

情動的に興奮し、交感神経優位となると、皮膚表面の血管は収縮します。その結果、散熱が抑制され、うつ熱状態となり深部体温が上昇します。身体は、脳温上昇を防ぐため頚部や顔面の血管を拡張させ散熱をはかります。上記の“うつ熱による顔面発汗”と説明が重複しますので略しますが、動物脳(情動)由来の交感神経緊張による自律神経失調に伴う、“うつ熱”による顔面発汗と理解してください。

【対応法】
動物脳(情動)由来の交感神経緊張による自律神経失調に対応する、末梢性副交感刺激法が最も有効と考えますが、施術法や施術部位に個人差が大きいので、治療依頼か個別に指導を受けてください。
ここでは予防としての対応法を紹介します。

  ・腹部指圧も有効です。就寝前の『のの字』の自己指圧を欠かさないことです。

  ・〔平常心〕の自己診断法や脈取り操作を実行してください。


熱中症に注意

発汗と熱中症は深く関わります。熱中症は顔の汗や化粧崩れより重篤な事態を招きます。本項の内容は個人差を考慮して実行してください。重複しますが、疾患のある方や幼児や高齢者には適さない手段も記載されています。迷ったら質問してください。くれぐれもご注意ください。


回答後に寄せられた感想

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いつのまに・・・  投稿者:なめこ 投稿日:2005/08/11(Thu) 10:53 No.732

こんにちは。「汗のはなし」よませていただきました~
「え!そんなぁ~そうだったの~?でも納得お得よね~(^^)v」
真っ先に思った感想です。
実はなめこはサリーさんと逆で暑くても顔からほとんど汗をかかなかったので、
汗をかかない体質?身体がどこか悪いのかな?
と心配していたくらいだったのです。
最近、背中、胸、下肢などから汗をかいているのに気付いたのでちゃんと汗かいてるんだ~と、
安心しましたし、顔に汗かかないなんてラッキー、なめこの体質に乾杯( ^^)Y☆Y(^^ )

なんて一人でうかれてたら・・・
しらぬまに教師猫マジック?ダイ作戦効果?にまんまと捕まっていたなんて( ̄▽ ̄;)

他にもダイ作戦には隠しアイテム?効果があるんだろうなあ~♪





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