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治療における性差の考え方

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治療における性差の考え方

治療における性差の考え方  投稿者:三つ葉 投稿日:2004/11/08(Mon) 21:21 No.348

こんにちは。三つ葉といいます。某専門学校に通っている手技療法勉強中の人間です。
さっそく質問を書かせていただきます。

かつて先生から、

「『性』や『性差』についての知識は臨床家にとって欠くべからざるものだと考えています。
私の場合ですが『性』によって、治療法の全てが変わります。
もし、私に『性別治療技術』が欠けていたら、私の臨床家としての結果は惨憺たるものでしょう。」

……という発言を聞いたことがあります。
ただし詳しくはこの掲示板で質問しろと。
今の自分にはまだ時期尚早かもしれませんが、話だけでもお聞かせください。

Re: 治療における性差の考え方  投稿者:教師猫 投稿日:2004/11/09(Tue) 01:16 No.350

三つ葉さん。ようこそ!!。

>『性』や『性差』についての知識は臨床家にとって欠くべからざるものだと考えています。
>私の場合ですが『性』によって、治療法の全てが変わります。
>もし、私に『性別治療技術』が欠けていたら、私の臨床家としての結果は惨憺たるものでしょう。

こんな事誰が言ったの。こんなことを言う奴は多分アイツだろうけど・・・。
でも、こんな本音をアイツが言うなんて珍しい。よほど某専門学校の学生を気に入ってるんだろうね。

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お答えします。

>某専門学校に通っている手技療法勉強中の人間です。
>今の自分にはまだ時期尚早かもしれませんが、話だけでもお聞かせください。

このように質問者の立場やレベルを知らせてくれると、用語や答え選びが楽になります。

まず、『わかる』ということは、“分けれる”ことです。ですから『わかった』とは、“分けれるようになった”ことを意味します。ここで重要なことは『何を基準に分けたか』を明確に認識しているか否かです。『なんとなくわかった』とは、何を基準に分けるかを曖昧なまま分けたことを意味します。『わけがわからない』とは、分ける基準を明確に認識できずに“分け方が分けられない”ことと考えます。

人の性別を分類するには、生物学的な性別を示すセックス(sex)による分類や社会的または文化的に形成される性別であるジェンダー(gender)によって分類する方法が一般的には用いられます。しかし、仮に何か分類する場合には必ず条件があります。分類条件が異なれば、同種とされるものが異種になることは当然であり、異種とされていたものが同種の扱いをされることも間違いではなくなります。性差も同様です。女装した男性は、女装が露見しなければ日常的には女性として対応されると考えます。

『性』や『性差』について教師猫に語らせると、ミクロからマクロの話におよびます。略せば、略すための説明または略したための説明さらに説明のための説明と脱線し、メチャメチャに長くなります。くれぐれも質問に答える範囲内に脱線を留めたいと『今心に誓う』教師猫ですが・・・。

(誰か途中で止めてくれ~・・・調子に乗ると現在のHPより遥かに膨大な量になっちゃうよ~)


>『性』や『性差』についての知識は臨床家にとって欠くべからざるものだと考えています。
>私の場合ですが『性』によって、治療法の全てが変わります。もし、私に『性別治療技術』が欠けていたら、私の臨床家としての結果は惨憺たるものでしょう。

この言葉は滅多に本音を吐かないアイツが「本当に言ったの?」と疑いたくなるような、非常に珍しいと言うか驚くほどの本音です。しかし、このことをアイツに語らせるとジェンダー(gender)について延々と語るか生命誕生や個の発生から始まります。そして必ず押圧法に関わる説明になってきます。多くの人に「アイツはどんな本を読み漁っているのか」と聞かれますが、アイツは殆ど本を読みません。「頭の中はpa-pu~だから髪の毛の色purple」と自称していますがそのとおりで、アイツに説明させると多岐に渡り脱線し、テーマがめまぐるしく変化します。そして最後は押圧法で締めくくるか得意の実技で煙に巻かれたようになります。アイツの話にまともに付き合っていたら某専門学校に通っている手技療法勉強中の三つ葉さん「混乱し方向を見失いますよ」。ここは、まず教師猫に任せてください。しかし、教師猫の説明といえど全てを理解しようとしないで、このような性差に対する認識が欠けたまま治療家の道をたどることが是か非かをイメージしてください。押圧法はあくまで手技です。如何に優れた理論でも技術が伴わなければ無用の長物であることも忘れないで下さい。


「今の自分にはまだ時期尚早かもしれませんが、話だけでもお聞かせください」という三つ葉さんの依頼に答え、教師猫が「指圧で結果を残すには性差にも注意する必要があるようだ」というイメージ的理解ができる程度の説明を行ないます。

女子選手としては一流の競技記録が男子選手の競技記録に混じれば平凡・・・幼い時から男子に混じって訓練を行う女子は少なくないと思いますが、オリンピックなどで男子世界記録を上回る記録を出した女子選手をご存知ですか?これは性差だと考えますが、いかがでしょう。男子と同じ筋肉トレーニングを積んでも、女子には男子に生じるほどの著しい骨格筋変化を認めることができません。骨格筋に筋線維レベルで性差があるのでしょうか?臨床家が治療を行うとき現状の疾患だけでなく、その疾患に至った原因をも模索します。生理解剖学的に筋原線維レベルでは性差を認めることはできないのにスポーツ記録には明確な性差が認められます。ここに臨床家が『なぜ』を持ち込むのは滑稽なのでしょうか。

人を哺乳類(有胎盤類)の一種ととらえ、雌雄レベルでの分類を基準にし、人の生物学的な性差が治療手段に関与すると考えられる例を説明します。これらの性差を施術に加味する必要があるか、臨床家にとってこれらの認識が欠けることが施術とどのように関わるかを考えながら、イメージしてください。
少々意図的に脱線します。

その前に、臨床家の思考法を説明します。現在、某専門学校に通って手技療法勉強中の三つ葉さんの場合、指圧の勉強に対する思考法は『集中思考』でよいと考えます。むしろ、集中思考でないと卒業や国家試験合格に不利に働く可能性が大きくなるとも考えられます。学校や国家試験の問題は正解から導いて作られたものだからです。臨床現場に正解から導いて作られた問題は殆どありません。臨床現場に提示されるものは正解どころか答え(対応)の存在すら定かではないものばかりです。そのためには拡散思考と集中思考を駆使し、自問自答し、自らの技術がおよぶ世界で対応し解決の道を模索せねばなりません。 『墨字(書物)からの問題』 も参照してください。


人は肺呼吸を行いますが、肺は自ら動くことができません。ですから、人は呼吸のために腹筋を用いて横隔膜を上下させる『腹式呼吸』または、肋間筋を用いて肋骨を上下する『胸式呼吸』を主に行います。この呼吸法に、男性は腹式呼吸。女性は胸呼吸という性差があります。腹筋と肋間筋では筋力に著しい差があります。当然、筋力に優れた腹筋を使用する腹式呼吸の方が呼吸効率は良いのですが、女性は思春期以前に胸式呼吸を習得します。なぜに女性が呼吸効率の悪い胸式呼吸をあえて選択するのか、その最大の理由は性が何よりも“自らの配偶子の成長を優先”させるからです。人生の長さに比べればわずかな妊娠期間ですが、そのために様々なリスクを背負うことになります。最も身近でわかりやすい性差が関わる疾患といえば便秘症でしょう。圧倒的に女性に多いことは皆さんもすでにご存知でしょう。男性に便秘症が少ない最大の理由は腹式呼吸の習練で腹圧コントロール術を獲得しているためです。1分間平均16回の呼吸に対応できる能力は、便意に応じた腹圧コントロールを容易なものとしました。


女性(現生人類の雌)は、自らの配偶子の成長を優先させるために胸式呼吸を選択し非力な肋間筋に生命維持に直接関わる重大な呼吸機能を委ねました。直立姿勢を獲得した人類の胸式呼吸は肋間筋を重力に逆らう方向に働かせなければならないのですが、目的のためにと完全に無視されたようです。非力な肋間筋に自らの目的達成のためさらなる負荷をかけています。本来は哺乳器ですが、哺乳中でもないのに脂肪で巨大化させています。その重量は容赦なく肋間筋をいじめます。さらに、現代女性はこの哺乳器を『乳バンド』で締め上げ、肋間筋をさらにいじめます。肋間筋の悲劇はさらに続きますが、説明はこの位にします。なお、教師猫のブラジャー理論で選択ミスを指摘できるものや正しい使用法を習得せずに使用されているブラジャーをまとめて『乳バンド』と呼んでいます。『乳バンド』は性差ではありませんが、使用は通常女性に限られます。この『乳バンド』を主因とする首凝り肩こり、胸郭の圧迫による呼吸阻害や圧反射による発汗の異常。誘因とする自律神経失調症や腰部の疾患等に対応できるのは性差を認識した治療だと考えます。さらに、通常の筋肉トレーニングで鍛えることが可能な腹筋と異なり筋肉トレーニングさえもままならない肋間筋に対応するには押圧法は優位だと考えます。

血液の赤血球数にも性差が見られます。人は高地などの低酸素環境に置かれれば一時的に呼吸回数を増やし必要な酸素を確保します。もし、高地に定住すれば赤血球を増加させて、環境に順化します。環境への順化能力にも性差が見られますがこちらは女性の方が優れています。では、なぜ、胸式呼吸という不利な呼吸法を選択した女性が優れた順化能力を発揮し赤血球を増加させないのでしょう。

明治のはいからさんがお出かけするのにズロースをはいた、帰宅したとたんに脱ぎ捨てて「こんなの、はいていられない、気持ち悪いし、頭はガンガンする」と嘆いた。某デパートの大火でズロースは普及したがそれまではあまり使用されなかった。衣服の最大の役割は身体の保護である。世界中で気候風土を考慮した衣服の発明や改良がなされてきた。日本独自の気候は和服に性差を生んだ。『フンドシ』と『腰巻』の区別がつかない若者は少なくない。現代の日本人には気候風土の異なる異国の服(洋服)を身にまとっているという意識はほとんどない。当然、和服の持つ性差の意味など気にもかけない・・・
話が脱線しました。元に戻しますか。ま~脱線ついでにもう少し。

日常的に人の性別を外見で簡単に区別できるのが乳房です。乳房は性器ではありませんが日常生活で性器以上に性をアピールします。大きい乳房はより明確に性別をアピールすることができます。さらにウエストが細ければ、その効果は増大します。女性は胸式呼吸の獲得により日常的にウエストを締め付けることが可能となりました。ガードルやコルセットあるいはベルトでウエストは乳房を目立たせるために容赦なく締め付けられます。・・・肝臓や腎臓などの内臓の悲鳴さえ無視されているようです・・・

雌にとって雄の配偶子の優劣に関わらず、自らの配偶子を成長させるためのコストは同じです。しかし、生存率は著しく異なってきます。当然、生存に優れた雄の配偶子を求めます。そのためには多くの雄を集め品定めが重要となります。多くの哺乳類では限られた時期(発情期)に性行動を行ないますので、成熟したサインを送れば雄が集まってきます。その後は『雄間競争』や『精子間競争』に委ねれば生存率の高い配偶子を得ることが可能となります。しかし、現生人類の雌は正常な未熟児を出産しなければならないため、 (正常な未熟児参照) 出産後は雄を配偶者として留める必要が生じました。そのために現生人類の雌は発情期を取り払い、発情サインも面(ニオイ)ではなく線に変え、さらに妊娠率を下げるという危険な賭けにも打って出ました。もちろん大幅な作戦変更に伴い身体的変化のみならず、性欲に対する精神的システムの変化にまで及んでいます。現生人類の雄は、哺乳類の中でも一部のサルが獲得した『強姦』という配偶子存続法を加えた従来の性欲システムに留まっていますが、現生人類の雌は著しく進化し高度な性欲システムを獲得しました。雄を配偶者として留めるために最も難題とされる『雄の性的無反応期』を実に見事に克服しています。現生人類の雌が持つ性欲システムが従来の性欲システムと異なり新システムであることを行動心理学的に証明するには、現生人類の雌とその他の哺乳類の雌の性欲行動を比較しなければなりません。それは感情と情動という異なるものに由来する行動の比較となり推測に過ぎません。心理学で証明できるのは現生人類の性欲行動の雌雄差に留まるのではと考えます。しかし、『ストレス時の性欲システム』の医学的論拠で、現生人類の雌が持つ性欲が独自な新システムであることを証明することができます。


乳房は大きいほど性別をアピールすることができます。さらにウエストが細ければ、その対比により乳房はさらに大きく見えます。・・・ウエストは乳房を目立たせるために容赦なく締め付けられます・・・と前記しましたが、納得してくれましたか?せっかく納得してくれたのに申し訳ないのですが、ウエストは乳房の犠牲となって細くなったわけではありません。人為的にさえも作られる細いウエストは、自らの配偶子の成長を優先させる性の戦略の一つなのです。生存に優れた雄の配偶子を選ぶためには、現生人類の雌も多くの雄を集め品定めが重要となります。現生人類の雌の戦略は雄に混乱を与えました。発情期を持つ哺乳類では雄の配偶子を受け入れる準備が整った雌がその時点で発情して、雄を誘発させます。雄は自らを発情させた雌に『雄間競争』あるいは『精子間競争』に勝てば自らの配偶子を委託できます。もし、回りにライバルがいなければ雄にとって天国(地獄?)です。自らの配偶子を成長させるチャンスを逸しないため雌が積極的に発情し行動してくれるのです。しかし、現生人類の雌はこれらの多くを排除してしまいました。現生人類の雄にとっては厄介となりました。他の哺乳類の雄のように受身の発情では自らの配偶子を存続させることは困難となってしまったのです。現生人類の雌の巧みな戦略により、雄は常に発情を維持し、常に自らの配偶子を存続させるチャンスを自ら作り出す努力を怠れなくなってしまったのです。こんな現生人類の雄に福音となったのが「雌のウエストサイズ・アピール」なのです。
拒絶されない範囲から自らの配偶子を受け入れるゆとりがあるか否かを確かめることができるのです。現生人類の雌もこのことは熟知し戦略として活用しています。

本題からかなり脱線した感がありますが、ここまで読んでいただいて、現生人類の雌は配偶子の成長を優先させるため独自の性欲システムをもつほどに身体を著しく進化させたため、現生人類の雄とは様々な機能が異なり、その疾患の治療には独自の施術が必要となる。すなわち現生人類の雌雄では施術法が異なるようだというイメージ的理解が芽生えれば十分です。

現生人類の雌は他の哺乳類の雌より、かなりの苦痛を伴う出産を行なわなければなりません。詳細は略しますが、100人の男性に同様の痛みを与えたら「50人は失神し、残りの50人は死亡するであろう」と表現される程の苦痛を耐える能力を持っています。この能力により、男性なら痛みに耐えかねて安静を保つ状況下においても、安静を要求せず、疾患の慢性化や悪化を促進します。ここにも性差による疾患への対応を治療家が考慮しなければならない論拠があります。

疾病治療を目的とする薬物投与や検査による放射線照射等の影響も雌雄を考慮する必要を感じます。雄の配偶子(精子)は第二次性成長期以後に作られ、1~2週間のサイクルで代謝します。ある薬物が疾病治療の目的で投与され、精子に影響を与えたとしても、通常は代謝終了時までの一過性のものとして対応することができます。さらに異常な精子は精子間競争を勝ち抜く確立も低く、健常な精子のみを選び受精を成立させることも可能です。しかし、雌の配偶子(卵子)は雄の配偶子(精子)と異なり、出生以前から体内(卵巣)に生存しています。胎生期で約700万個、出生時で約40万個と数を減らしながらも体内(卵巣)で生存し続けなければなりません。各種検査等を行なうにしても雌の配偶子(卵子)は雄の配偶子(精子)に比べ検体数も少なく採取も困難です。たとえ疾病治療を目的とする薬物投与や検査であっても、雌雄の配偶子を考慮し、その対応に雌雄を配慮すべきではないでしょうか。

この辺で今回の教師猫の説明を終わります。ランダムに取り止めもなく気の向くままに書き込みました。これらをヒントに次の質問を考えてください。時々「質問すると再質問されるのがイヤだ」とか「初めからわかりやすく書いて欲しい」などという、何かを勘違いしたような声を聞きますが、ここは無料のHPです。教師猫はあなた方が授業料を納めている所の先生ではありません。ですから、質問に答える義務などないのです。例え奇問でも難問でも教師猫は答えていきたいと考えています。但し、気まぐれやお遊びにはつきあわせないでください。質問者の真剣さで対応も変わります。再質問に対する応答がなければ『答えのいらない書き込み』と判断します。再質問に答えたら、答えをもらえると考えてください。

『断られても、何度も何度も、再質問』これが教師猫に金も払わず、知恵を借りる秘策です。



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