脳性麻痺による運動機能障害改善の可能性
脳性麻痺による運動機能障害を起因とする「脳性麻痺による疾患」と運動機能改善に対する正しい知識、さらに、それを踏まえ行なわれる適切な指圧により、運動機能障害改善の可能性は、飛躍的に向上します。
人体のさまざまな器官は、先天的遺伝子情報により形成されその多くは自然に成長し機能を向上させていきます。しかし、骨格筋の筋力や形態は、さまざまな後天的条件によって著しく変化します。さらに人の脳(自律神経系の一部を除く)は、先天的要因だけでは機能することさえできません。人の脳が先天的要因として備えているものは、後天的要因によって“習って覚える”という学習機能です。使用する言語に先天的要因(遺伝的要素)は何ら関わりません。
骨格筋(筋肉)に悪条件を与えれば、著しい機能低下が短期間に生じます。
脳性麻痺児に共通する最大の機能低下の原因は、“筋の不動性萎縮”です。
逆に、好条件を与えれば、機能は向上します。
人の脳は後天的要因により、さまざまな機能を学習習得していきます。しかし、脳性麻痺児には特有の運動麻痺があります。これが不動性萎縮などを誘発し、血液循環不良骨格筋の発育不全、筋の過緊張、精神的緊張などを生じさせて、脳が運動機能を学習する妨げとなり、これらはさらなる悪循環を引き起こします。
指圧により、筋の緊張が緩和されれば、精神的緊張も緩和され、血液循環不良も改善されます。これらは良循環を起こし、脳の学習機能を促します。