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第9回 体幹と四肢の位置取り

体幹と四肢の位置

押圧操作の習得には、体幹と四肢の位置関係の体得は重要となります。移動と加圧を分離し、自支と支点力点を定めない操作のために体幹と四肢の位置は重要です。 体幹と四肢の位置を定める位置取りも、四肢と体幹の位置だけでなく、その順序も基本として重要となります。位置取りの順序にもこだわりながら体得してください。掲示した写真を注視すると、説明文の内容と写真が若干異なります。押圧法に対する認識レベルアップと技術向上により、異なる理由は理解できるようになるのですが、それまでは説明文に従って練習してください。〔説明不足は講座で補います〕


位置決めの基点は加圧点

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加圧点〔A〕を基点として体幹と四肢の位置取りを行ないます。実際の施術では加圧点〔A〕に対し、
膝立ち接地点〔B〕の位置取りを行ないますが位置取り法の習得後でないと困難です。

立位から膝立ち姿勢に移る。接地する膝に衝撃を与えないために、簡易の前方足趾底部接地点〔C〕を定め、次に膝立ち接地点〔B〕を取り、上肢を伸ばし、手掌を合わせる。左右の肩峰を結ぶ直線〔D‐E〕を一辺とし、左右の上肢で二等辺三角形を作る。軽く肘関節を曲げ、完全自支可能姿勢で加圧点〔A〕を捕らえる位置に膝立ち接地点〔B〕を移動し、最大スタンスの姿勢となるように前方足趾底部接地点〔C〕を定める。前方大腿内側部に肘部が軽く接するように前方下腿の膝位置を定める。


加圧点〔A〕と他点の関わり

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左右の肩峰を結ぶ直線〔D-E〕に対して、加圧点〔A〕と後方下肢アキレス腱部〔F〕を結ぶ直線〔A-F〕が垂直に交わるように後方下肢アキレス腱部〔F〕を取る。左右の肩峰を結ぶ直線〔D-E〕は押圧操作時は床面と平行を保つ練習を行なうこと。 加圧点〔A〕から垂直な点〔G〕を自支・移動・加圧の順に施術者の正中線が通過し、左右の肩峰を結ぶ直線〔D-E〕が加圧点〔A〕から垂直な点〔G〕と交差するまで体幹を移動させ、加圧動作を開始します。

【注意】
参照写真では、左右肘関節の屈曲角度や構えが一定でなく、左右の肩峰を結ぶ直線〔D-E〕が床面と平行に保たれてはいません。加圧点〔A〕から垂直な点〔G〕からも頭部正中線がずれています。これは、体幹と四肢の位置取りに、支点や力点を定めない押圧法独自の“ため操作”を加えているからです。
撮影の際に、説明文に準じたポーズを作ってみたのですが、押圧法独自の“ため操作”を省く操作は、押圧法としてはあまりにも不自然なため、受講生の一時的混乱は必要悪ととらえ、“ため操作”を含む自然な押圧操作を掲示しました。(混乱する前に、担当講師に質問をしてください)


軸点と移動点

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加圧点〔A〕の移動時の加圧動作の安定や加圧動作効率向上のため、軸となる点〔軸点〕と移動する点〔移動点〕について説明します。膝立ち接地点〔B〕と前方足趾底部接地点〔C〕は、終始軸となる点です。

加圧点〔A〕の移動に伴い、左右の肩峰を結ぶ直線〔D-E〕、後方下肢アキレス腱部〔F〕は位置取り条件を満たした移動を行なう。同時に左右の上前腸骨棘を結ぶ直線〔H‐I〕と左右の肩峰を結ぶ直線〔D-E〕を平行に移動する。さらに、前方下肢踵骨部接地点〔J〕と後方下肢足背部接地点〔K〕も移動する。
(写真では無理に後方下肢足背部接地点〔K〕を見せています)


回顧

日本指圧学校(現日本指圧専門学校)の寮生時代には、浪越指圧センター本部(通称:治療部)勤務を命じられ、電話番・カルテの整理・患者さんの案内や先生の呼び出し・治療着やハンカチなどの準備や片付けなど等を行なっていました。当時の治療室は現在の5階道場より広く、浪越徳治郎先生をはじめ約30名の治療部員が連日150名前後の患者さんに対応していました。浪越式の全身60分の指圧で、同時に開始し同時に終了します。治療部受付からは全員を一望することが出来ました。治療室内を回ることも業務でしたので、諸先生の体幹と四肢の位置取りやその操作法を自由に学ぶことが出来ました。位置取りや操作法を意識し着目することで、徳治郎先生と諸先生の動作の区別が容易になりました。
さらに、諸先生の圧の特徴や患者さんが示す次の表情の予測もできるようになっていました。諸先生の指圧治療を体験し徳治郎先生との違いを確認できたことも、得がたい経験として財産となっています。







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