危険な指圧姿勢‐2
危険な指圧姿勢‐2
またも、“危険な指圧姿勢‐2”というタイトル表現。指圧に対するイメージダウンや恐怖を招くのではないかと、いささか抵抗を感じます。しかし、指圧(押圧法)を正しく理解し、本当の意味で安全に家庭で行なって頂くために、最も重要となるのが“正しい危険性の認識”だと考えます。本来は有資格者の医療行為である指圧が単に指先で圧す行為と捉えられ、誰にでも安易に安全に行なえる行為と誤解されているようです。指圧(押圧法)の正しい理解が安全と効果を導きます。
国が認める危険性
もし、指圧(押圧法)が誰にでも手軽にできる安全で有効な医療行為であれば、国は、国民の健康管理のために国家予算を投じ、その普及にのりだすでしょう。しかし、国は指圧(押圧法)を業としようとする者に対し、国が指定する専門学校を卒業し、国家試験に合格する“技術と知識の習得”を義務付けています。
これは、国が、指圧(押圧法)の有効性と共に危険性を認め、無資格者による、見様見まねの行為で、国民の健康が害されることを危惧するからです。
危険回避のための危険意識
わが子のために指圧(押圧法)を学ばれる、『てのひらの会・咲夢』の皆さんには指圧(押圧法)の危険回避は容易なことです。“危険な指圧姿勢”で説明した、“専門用語で『最大スタンス』と呼ばれる片膝立ち姿勢”の禁止を守ってください。そして“危険意識”を持ちながら、わが子の表情を読み取ることです。すなわち、指圧(押圧法)効果をあせらず、わが子に苦痛や我慢を強いらないことです。
受け手姿勢に注意
指圧(押圧法)の安全性や独自の押圧効果が自支操作によって確保されることは“危険な指圧姿勢”で説明しました。時に、受け手(被術者)姿勢の悪さが危険を招くことがあります。〔指圧研究会・咲晩〕メンバーは指圧(押圧)姿勢において自支ばかりでなく、受け手(被術者)の体や加圧部位を無理なく支えています。
危険な受け手の姿勢
危険な受け手(被術者)の姿勢とは、加圧により受け手(被術者)の身体が揺れ動いたり、加圧中の受け手姿勢保持のため受け手(被術者)自身が自分を支えなければならない姿勢(受け手自支姿勢)などです。加圧中に受け手(被術者)の身体が揺れ動けば、加圧力や圧方向は定まりません。加圧中の受け手姿勢保持のため受け手(被術者)が自身を支える状態が生じれば、押し手(施術者)と受け手(被術者)の力比べとなり、指圧(押圧)効果が望めないばかりか、両者の力のバランスが崩れた瞬間に危険な状態に陥ります。
注意を守れば危険は伴いません
押圧法を正しく表現すれば、有効性を国が認めた唯一の手技(医療技術)です。さらに、危険回避のための技術も、押圧法習得の必須条件です。
押圧法は注意を守って施術を行なえば、全く危険を伴わない手技です。
危険回避のための姿勢診断法
【自支操作】
- 押し手は安定した姿勢で自身を支えていますか。
- 加圧中、押し手が受け手に持たれていませんか。
- 受け手を支えにして、押し手が動作を戻していませんか。
- 受け手を押さえつけ、受け手の自由を奪っていませんか。
【受け手姿勢保持】
- 受け手姿勢は受け手が自分で自身を支えずとも安定していますか。
- 加減圧により、受け手の身体が揺れ動いていませんか。
- 受け手姿勢が不安定な場合、押し手が支えていますか。
【コミュニケーション:思考の伝達】
- 施術中、受け手の表情を確認できますか。
- 受け手は押し手を確認できますか。
危険回避のためには
危険回避のため最も必要なものは、危険に対する知識です。
危険を知れば必要以上に恐れるのではなく、正しい知識で回避できます。
担当講師が個人的質問に応じますので、疑問は迷わず質問してください。