指圧について Q&A-3
Q)サーモグラフィーで観察すると指圧後、施術部位の温度が上昇します。
これは血液循環が改善された証拠でしょうか。
A)サーモグラフィーが測定するのは、体表から放出される赤外線の量です。
単なる表面温度の変化を、血液循環改善の証拠と考えて良いのでしょうか。
飲酒により体は温まり顔が紅潮します。これをサーモグラフィーで測定すると体幹の温度は下降します。体が温まるのは"うつ熱"によるもので顔の紅潮は、体温上昇に伴う"脳温上昇"を防ぐためのものです。解熱剤を使用した場合の、体幹表面温度の変化を考えてみてください。
Q)マッサージで、受術直後の入浴を禁じられましたが、指圧もそうですか。
A)かつて、浪越指圧本部センターにはサウナがあり、患者さんは受術前後に入浴しておられました。
通常、マッサージは表層を中心に施術を行ないますので受術直後の入浴はその効果に影響を与えることがあります。指圧では深層に作用しますので、その影響はさほど問題にはなりません。もちろん疾患により入浴法を指導したり、入浴そのものを禁ずる場合もあります。それは入浴が疾患に与える影響等を配慮したものです。これらの見極めも重要となります。
Q)指圧操作で(施術者自身や手指)の支えは、どの程度重要なのですか。
A)キック・ボクシングではパンチは重要と言えます。しかし、ボクシングとなればパンチは重要ではなく不可欠です。パンチがなくてはボクシングとは呼べないでしょう。指圧(押圧)操作において施術者自身が自らの体や手指を支えることは不可欠。指圧の押圧操作と按摩の圧迫操作は似て非なるものです。両者を明確に分け、理解することは技術習得においても近道となると考えます。