プ-ルでの注意と筋肉に対する効果
骨格筋は機能解剖学的に、地球の重力に抵抗し垂直方向に作用する抗重力筋と、移動のために水平方向に作用する推進筋に分類します。
水中での筋肉に及ぼす影響は、抗重力筋(単関節筋)と推進筋(多関節筋)とでは異なります。抗重力機能と推進機能の違いを理解し、訓練に役立てて下さい。
水の浮力は重力と逆の方向に働き抗重力筋に対しては機能を助けてくれます。浮力が重力を打ち消し、抗重力機能訓練には有効です。訓練として効果を上げるために過負荷にならないよう水深を選び垂直方向に行なって下さい。推進筋には水の抵抗が負荷となります。推進機能訓練は水平方向に、負荷を考慮して行います。(負荷は、かけ方により筋力の増進にも過労にもつながります)
水温が、体温に与える影響を意識してください。水圧が負荷となることも大切な注意点です。呼吸機能に与える影響は大きく、血液循環への影響も大切です。
≪講義で具体的に、詳しく説明します≫
プ-ルを利用した遊びは、運動機能障害児(特に抗重力機能低下児)にとって、比較的自由に動け、楽しいもので、精神的な好結果も大いに期待できます。
でも、単なる遊びという認識や子供任せの判断では、逆効果となりかねません。十分な知識と観察により、単なる遊びから運動機能障害児の楽しめる(筋肉の)運動機能訓練法になり、重要な(脳の)運動機能習得訓練法にも変わります。
(運動機能習得訓練法:脳に運動機能を学習、獲得させる訓練法)