墨字からの問題
「墨字からの問題A」と「患者からの質問B」には、様々な隔たりがあります。
両者の隔たりを認識することは重要です。いくつかを極端に述べてみます。
(患者による「A」を「B」と混同しないように注意して下さい)
【目的と正解の存在】
A:優劣の判定。目的のため制作されたもの→存在は当然。
B:Bの解決。患者が解決できず発生したもの→存在は不明。
【正解の必須条件と変化】
A:科学的要素や論拠。不変。
B:非科学的要素とその理由。臨機応変。
【正解の量と質について】
A:通常は一問一答。万人が認める内容を満たすことが可能である。
B:候補は不可思議を超えても、万人が認める内容を満たすことは不可。
【解決手段と解がない場合】
A:自力のみ。[解なし]が正解である。
B:あらゆる方法。[解なし]は認められない。
【範囲や範囲外について】
A:実際の学習範囲を超えることはなく、範囲外は拒否も当然とされる。
B:職域に留まらず、職域外の問題でも評価され、無回答は容認されない。
【解決手段としての思考法】
A:消去法や集中思考。拡散思考は不適と判断されることが多い。
B:臨機応変な拡散思考。単純な消去法や集中思考による解決は困難。
『墨字は死物なり人は生物なり、死物にて生物を御すること、これ不可なり』
江戸中期、わが国"古医方の祖"と称された後藤艮山の言葉です。