講座での出来事(2)
講座での出来事(2)
養成講座での出来事。 投稿者:粉雪 投稿日:2006/01/26(Thu) 23:54 No.1213
粉雪さんからの質問に対する続きです。質問の内容は、 〔講座での出来事(1)〕を読んで下さい。なお、粉雪さんが『Aさん』と呼んだ受講生は、彼女のハンドルネームの“お味噌さん”と呼ぶことにします。
お答えします。
お味噌さんの無謀な挑戦
教師猫がお味噌さんと初めて会ったのは、2005年1月16日の〔指圧研究会・咲晩〕スタッフ養成講座へ“顔見せ参加”したときでした。その後、日本指圧協会主催の夏期大学にて“例の理由”で体調に異変を生じたときに、やむなく直接対応したことがあります。以来、電話でのSOSに対し『リモコン施術』で対応すると共に教師猫に権限はないのですが『被術禁止』の指示を与えることで事無きを得ていました。
先日の養成講座で、お味噌さんが上肢全体のシビレを申告してきました。発症原因を問うと、無謀にも『禁止されている被術被害を体験してみた』とのこと。施術者が教師猫も知っているベテランの実技講師だったことと、お味噌さんの上肢に自覚的愁訴のシビレを推定できる“他覚的所見”が診られたために、お味噌さんの『被術不可』が単なる心因性ではないことを確認することができました。
施術依頼への教師猫の対応
様々な場所で、『先生、○○が痛い(悪い)のです。チョッと治療していただけませんか』と施術の依頼を受けます。指圧師であれば日常茶飯事のことのようで、気軽に応じる方をよく見かけますが、教師猫の場合は殆どお断りしています。教師猫はプロの治療家です。プロである以上は、それなりの結果を出さなければなりません。『人を治療する』ためには、様々な条件が不可欠となります。特に、『患者』を 知ることは重要です。準備周到でなければ、短時間の施術で結果を残すなど・・・教師猫には到底及ばないことです。教師猫は、講義時間を特定な受講生の個人的な治療等に費やすことは、他の受講生に対し時間の搾取だと考えます。さらに、“治療を依頼すれば治療代を支払う”という当たり前の認識が完全に欠如していて、“治療条件を著しく欠いた状態での結果”を評価する人への施術など、真っ平御免です。〔指圧研究会・咲晩〕メンバーは、必ず臨床モデルとして活用しますので、この限りではありません〕
講座でのお味噌さんへの対応
お味噌さんの“無謀な挑戦”の結果によって生じた『上肢全体のシビレ』は上記に相当します。教師猫が講義中にお味噌さんの愁訴に対することは、他の受講生に時間搾取となります。しかし、お味噌さんのもつ『被術不可』という特徴は大半の受講生が知っていて、利用次第で受講生全体の指圧認識向上へつながると考えました。しかし、単なる三週間の『上肢全体のシビレ』の愁訴改善では面白くないので、生理学的には困難というか、可不可が論じられることも殆どない、“交感神経異常緊張急速緩和術”の一つである末梢性副交感刺激法を行なうことで、無謀な挑戦をしたお味噌さんに対する罰?を含んだ、“末梢性副交感神経刺激法”の存在認識による押圧法認識向上を受講生に指導することを企てました。企てを知らない“お味噌さん”は座ると同時に、“抱っこの姿勢”を教師猫から取らされてしまいました。
“抱っこの姿勢”については、 〔小児喘息〕を参照してください。その時のお味噌さんの様子や施術結果などは〔講座での出来事(1)〕に粉雪さんが書き込んでいます。
教師猫のリスク
〔指圧研究会・咲晩〕メンバーにとっては見慣れた実技レベルでしょうが、教師猫施術のリスクについて考えてみてください。読者もおよその状況は粉雪さんの書き込みで推察できると考えます。お味噌さんの施術依頼は『指圧被術で生じた三週間に及ぶ上肢全体のシビレ』の押圧法(指圧)による改善です。教師猫は『被術不可』で容易に過緊張を起こす。すなわち、圧過敏体質で心身とも激しいディファンスの塊のようなお味噌さんに大勢の受講生が見つめるなかで、愁訴の改善のみならず“交感神経異常緊張急速緩和術”の一つである末梢性副交感刺激法の施術を企てていたのです。『もしも、教師猫の試みに結果が付いてこなかったら・・・』と問われるのですが、教師猫がいかに身の程知らずでも、満座の中でお味噌さんに耐え難き屈辱を与えることや押圧法に対する信頼を失墜させるような行為は自制します。
『何かトリックでも』と考えられる方をあえて説得する気になりませんが、粉雪さんの書き込みにあった、《・・・周りを取り囲んだ受講生たちに向かって「唇の色や、顔色を見とけ~」と言いました。普段から交感神経緊張に陥りやすいAさんは、体調はもとより、抱きかかえられた恥ずかしさや、衆人環視の環境で、見るからに緊張気味です。唇の色は青く、顔色は真っ白。皆が注目する中、先生が腹部を押圧。すると、みるみると唇は赤みを増し顔色が良くなっていきました。明らかな、表情の変化が見てとれます。モノの数秒、瞬時の出来事でした…。》教師猫の予告つきのリスクと結果を・・・どう捉え、どう判断しますか。
話題にならない教師猫理論
粉雪さんからの書き込質問である、・・・『副交感神経優位→交感神経優位』は一瞬で起こり得ることは、経験的にも分かります。しかし『交感神経優位→副交感神経優位』には時間がかかるのが生理学的常識ではないでしょうか。でも、実際にこの目で見た現実は…。揺れている振り子はすぐには止まらない…ハズ。走った直後に、落ち着いてメシは食えない…ハズ(笑)。押圧刺激は常識を覆す!?謎は深まるばかり。一体どういったメカニズムなんでしょう?疑問に答えて~!・・・に答えなければならないのですが近年は専門家の間では常識化しましたが、 〔腰椎過前屈〕について教師猫が論じていたのは15年以上前のことで、当時は論争どころか満足に論じることもできませんでした。 2004年11月13日(土)に三つ葉さんの質問に答えた 〔治療における性差の考え方〕の公表は躊躇しました。NHKクローズアップ現代で、2004年11月18日(木)に 〔女性の医療を見直す〕という、性差を考慮しない従来の医療の弊害を検証し、性差医療の取り組みをアメリカの先進例を交えて伝える番組が放送されたため、『非難を避けることができた』と安堵したと共に、三つ葉さんのあまりにもタイミングのいい書き込みに感謝の念を持ちました。現時点において、“交感神経異常緊張急速緩和術”の説明は、シリーズで掲載した〔情動と理性脳〕のなかで触れた概説程度に留めます。読み込めば、“ダマシ絵概説”の意味が見えてくるかもしれません。時期をみて、〔指圧研究会・咲晩〕の講義で説明します。“押圧法認識”も結果を積み上げてください。