04・やめてください
ハイ。迷惑です
『てのひらの会・咲夢』勉強会に初めて(見学)参加された時、お子さんは、泣き出したり、大声を出したりと静かにできない場合があります。「すいません。ご迷惑でしょう」とお母さんは恐縮し、教師猫に問います。そんな時、教師猫は「ハイ。迷惑です」と答えます。率直な教師猫の返事にお母さんは困惑されると考えますが、講義中に騒がれては迷惑ですから、「迷惑ではない」とは言えません。
『わが子のために…』と期待や不安をいっぱい抱え見学されたお母さん。お母さんの不安げな表情や、初めての場所で、多くの見知らぬ人に囲まれて、お子さんが落ちつけないのは自然です。泣き出したり、静かにできないのも当然です。お母さん。どうか「迷惑でしょう」と問わないでください。迷惑ですがお子さんの行為をとがめる者は誰一人としていません。お子さんが泣き出すと、回りのお母さんやスタッフの顔が曇ります。それは、消え入りそうなお母さん。あなたの心情を察し、戸惑っているのです。「お母さん。負けるな。頑張って。」と声をかけたいのです。なぜなら皆、同じ思いの体験者ですから。
お母さん。「迷惑でしょう」と問わないでください。必要が生じればスタッフが誘導します。
すべて暗黙の了解済みです。教師猫への配慮より、お子さんのために頑張ってください。
嘘つきです
見知らぬ人が近づけば、誰だって怖いのものです。教師猫がお子さんの側に近づき、治療を始めようとした時に、お子さんを教師猫に任せようとしないでください。そして、お子さんに「怖くないから」「痛くないから」「大丈夫だよ」と言わないでください。
お母さん。あなたは時々嘘つきです。思い出してください。お母さんが「痛くない」「怖くない」とお子さんに言った時のこと。そうです。確かに、お母さん、あなたは痛くなかった。だから怖くないし大丈夫でしょう。でも、お母さんが「痛くない」と言った時、お子さんはどうだったのでしょう。お子さんは、お母さんが「痛くない」「怖くない」と言い切る時ほど「痛くて怖い」思いをしていませんか。お母さんの「大丈夫」の一言が最も不安です。
教師猫に任せてください。任せられない時は、お母さんが教師猫に対する警戒を怠らず、教師猫に警戒信号を送ってください。難しいことはありません。その時のお母さんの心情を“包み隠さず”むき出しで。お母さん『そのまま」教師猫にぶつけてください。
約束
教師猫の治療院で、こんなことがありました。いつもは、お母さんと来院する治療中の4歳の男児。(その日はお母さんの都合が悪く)初めておばあちゃんと共に来院しました。
教師猫の治療室は、本人の希望がない限り、他の人の入室を禁じています。おばあちゃんも孫の「一人で(治療室に)入る」という意志を無視できません。これが、教師猫の治療室のルールです。そのことは、おばあちゃんもお母さんから伝えられ、ご存知でした。治療前に「イイコで指圧をしたら、帰りにオモチャを買ってあげるね」と言う会話が聞こえてきました。
治療室で治療前、彼に「イイコで指圧すると帰りにオモチャ買ってもらえるの?」と教師猫が問うと、「おばあちゃんが言った」との返事。「指圧をすると、お金がイッパイかかるんだよ。指圧をしたらオモチャはダメ。指圧をしなけりゃ、オモチャを買ってもらっていいよ。どっちか1つだけだよ。どうする?」と返事を迫ると、彼はおばあちゃんの所へ行って「僕、オモチャいらない」と言って治療室に戻ってきました。後日、お母さんに確認したところ、彼は教師猫との約束をきちんと守り、おばあちゃんの誘いを断固として断ってくれていました。
お母さん。「イイコにしなければ、指圧には連れて行かないよ」と言ってください。
でも、チョットだけイイコじゃない時も、指圧には連れてきてくださいね。