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情動と理性脳(3)

自律神経失調症を要約すれば

自律神経失調症を要約すれば、動物脳(情動)と理性脳(情操)の摩擦の結果で生じた自律神経の混乱(主に交感神経の過緊張)による、ホメオスタシスの失調が症状として表れたものとなります。ホメオスタシスの改善には、自律神経失調の改善が必要です。因果をたどれば、動物脳(情動)と理性脳(情操)との摩擦の解消となります。しかし、具体的に摩擦を解消することは容易ではありません。

情動に従えば

人以外の動物に、動物脳(情動)と理性脳(情操)との強烈な摩擦は生じません。それは、多くの動物には“情操”という複雑で高次な感情そのものが存在せず、(人を除けば)霊長類でも、動物脳に対する理性脳の抑止力は小さいからです。

人は“情操”という複雑で高次な感情を持つがゆえ、自律神経に失調をきたし、ホメオスタシス機能が乱れ、結果的に人独自の様々な疾患にさいなまれます。無条件で、動物脳(情動)を理性脳(情操)が牛耳るか、理性脳(情操)が迷わず動物脳(情動)に従えば、自律神経はスムーズに働き失調などはありえません。

動物は、動物脳(情動)の働きだけで世代を継ぎ繁栄しています。人が、迷わず動物脳(情動)に従えば、自律神経の混乱(交感神経の異常緊張)は回避され、多くの疾患が予防や改善できるでしょう。しかし、人が持つ知的能力を動物脳(情動)に従って使用すれば、世代を継ぎ繁栄することは困難だと考えます。

情動コントロール

無条件で、動物脳(情動)を理性脳(情操)が牛耳ることができれば理想的です。しかし、“本能”である動物脳(情動)のコントロールなど、容易ではありません。

人の繁栄の歴史は、『動物脳(情動)コントロール』の歴史と言い換えれるほど、人は動物脳(情動)と戦ってきました。戒め・罪・法度・掟・戒律・倫理・道理・法律などなど、人は英知を絞り様々な方法で、動物脳と戦うため人を監視しました。

ドイツの哲学者、ニーチェ(1844~1900)の『○○は死んだ』という言葉は、実に現代人の“動物脳との戦い模様”を的確に捉え表現していると考えます。しかし、教師猫は哲学者や思想家ではありません。『情動コントロール』の歴史に触れることなく、押圧法による臨床現場の指圧師として、医学的論拠があり、実現可能な 『情動コントロール』で対応していきます。

ある光景への対応

情動と理性脳(2)〕の“ある光景”で、どんな対応を取れば、交感神経の過緊張や続発する自律神経失調症を予防することができるのでしょう。〔空論を含む〕

【対応法-その1】
動物脳(情動)をコントロールせずに、全てを“情動”に委ねた行動を起すこと。
世襲的に、この権利を受け継ぐ必要があります。但し、理性脳(情操)の抑制が生じた後、“情動”に行動を委ねることは危険です。著しい、『正のフィードバック』が生じやすく、収拾は極めて困難となります。〔亡ぶ君となるでしょう〕

【対応法-その2】
聖人のごとく、情動を”理性脳(情操)”で、全て完全にコントロールすること。
全ての事象に一切の感情を持ち込まず、客観的に判断し、情操的に行動する。

【対応法-その3】
自分自身、自身を(自律的意志を持ち自己決定を行なう)一人格と認めず、責任転嫁や罵倒されても、言い訳もせずに、ひたすら謝罪することを当然とすること。自分自身を『役者』になぞらえ、これらの全てを演技と捉え、それらに自己の感情を一切関与させない。〔与えられた役を演じて対価を得ることに終始徹する〕

【対応法-その4】
理性脳(情操)と動物脳(情動)を時間を空けずに、独立して交互に使うこと。
理性脳(情操)の抑制直後に、“一汗かく”肉体運動を行い、空腹を感じるまでは食事を控えること。食事の時間は“腹時計”とし、ヤケ食いやヤケ酒は厳禁。

【対応法-その5】
専門機関で適切な治療を受けること。


【対応法-その5】以外はお勧めしません。“ある光景への対応”を流れとして、『行き掛り的』に説明しました。実に無責任な内容と教師猫自身反省しています。


人が“人として生きる”ときに、動物脳(情動)と理性脳(情操)との摩擦の解消や自律神経の混乱予防が困難であることをイメージ的に理解してください。





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