入浴法について
Q 入浴法について教えてください
A 入浴は、私たち日本人に馴染みの深い疲労回復法です。
しかし、入浴法によっては逆効果となります。
ヨ-ロッパでは医師が処方し、これに基づき入浴する医療泉が各地にあります。
(日本の温泉はほとんどが観光泉です)
ここでは、脳性麻痺児の基本的入浴法について、説明いたします。
- 1. お湯の温度は、38~40℃位、体温より少し高い温度です。
- 夏は38℃、冬は40℃位が適当です。特に低体重児や体温調節機能不全児は脱衣や脱衣場の室温にも十分な配慮が必要です。
- 2. 浴室の温度に注意してください。(暑くも寒くもない室温)
- 3. 入浴前にお湯の温度に身体を慣らします。(十分かけ湯が必要)
- 4. かけ湯は、心臓から最も遠い、足先から丁寧に行ってください。
- (かけ湯はゆっくり下から上、お尻を洗うのはかけ湯が終わってから)
- 5. 入浴は半身浴(胸の下までの入浴)を中心としてください。
- 全身浴は心臓や肺に負担をかけ、逆効果の場合もあります。
- 全身浴でないと満足できない場合は、浮き身の姿勢での入浴を勧めます。
- 6. 半身浴時に、上半身を冷やさない工夫が必要です。(かけ湯を行なう)
- 下半身が温まれば全身温まります。
- 7. 入浴時間は、合計20分前後が目安です。(額に軽く汗ばむ程度の時間)
- 汗をかかせ過ぎないように注意して下さい。体力を消耗し疲労します。
正しい入浴は、精神的リラックス効果ばかりでなく、血液中の疲労物質(乳酸)を急速に減少させるので、筋肉の疲労回復には効果的です。しかし、筋肉疲労が激しいときは、全身浴はもちろん半身浴も逆効果となります。この様な場合に、多くは入浴を中止させますが、足湯などの局所湯は効果的で、お勧めします。
≪浮力を利用して運動(特に自動運動の訓練)を行うことも効果的です≫