第14回 お別れです
お別れです
教師猫です。メッセージと嫌な役を押し付けられて、ちょっと掲示板をぬけ出してきました。
本HP読者の一部(大部分かも?)の皆さんにはここでお別れです。
え~コホン。
指圧研究会・咲晩〕スタッフ養成講座の押圧法認識から加圧操作までを大筋で紹介しました。これは、スタッフ養成講座受講生が習練する押圧法の基本の基礎の一部です。副読本的参照資料として掲載したのですが、受講生以外のアクセスが増え、特に圧迫法関係者の間で物議を醸しだしているようです。
コホンコホン。
押圧法は『治療効果を国が認めた独自の手技』です。押圧法関係者には蛇足的説明なのですが、治療効果を必要とするのは患者であり、患者は健常ではない。健常でない身体に施術を行なうには診断や施術の危険性が個々に配慮されるのが当然のことです。
(あ~こんな説明 嫌になってきた。こんな説明だれも聞いてくれないよ)
圧迫法にも押圧法の『片膝立ち姿勢』に似た姿勢があり、押圧法の『片膝立ち姿勢』と混同されますが、加圧点を支えとする(三点支持の)圧迫姿勢と加圧動作中に受け手が突然消えても自支(二点支持)が必要な『片膝立ち姿勢』とでは異なります。さらに医学的な『診断や破壊を前提としていない』と考えられる圧迫法と、『診断や破壊を大前提』とする押圧法では練習法も基本の基礎から似て非なるものです。
(あ~・・・もう止めようよ)
順序が前後いたしますが、背部指圧を例に圧迫法と押圧法の訓練(指導)の異なりを説明いたします。圧迫法の訓練では、押し手の技術レベルを問わず、被術者を伏臥位にし、背部加圧点に母指をあて、体重移動により加圧します。この際に被術者の状態や圧加減よりも押し手の指が加圧に耐えられるか否かが優先されます。押し手の訓練法に『指たて伏せ訓練』などが付加されます。圧迫法の指導に加圧による被術者への危険性に対する注意や説明が事前に行なわれない現状から判断すると、圧迫法は『被術者に対する診断や加圧による危険を前提とはしていない』といえます。
(あ~・・・もう・・・こんなのあたりまえだろう)
押圧法では『診断や破壊を大前提』とするため、初回から加圧動作を指導することはありません。
押圧法の必須条件を満たす基礎訓練から始めます。さらに、押圧精度の向上を際限なく要求されます。基礎訓練から抜け出せる日は永遠に訪れません。
(あ~・・・もうイヤダ・・・教師猫は帰ります)
精度が上がれば『ふりだし』です
押圧法では完全自支・移動動作と加圧動作の分離・支点力点を定めない操作などの必須条件を満たすため、それぞれ独立した基礎訓練を必要とします。さらに、独立した操作をバランスよく同時に行なうことを要求されます。仮に、手指の精度が上がると、他の操作に甘さを感じます。即ち精度が上がれば全ての操作が『ふりだし』なのです。十を知り一に戻ることになります。これが押圧法の基礎訓練です。
精度0.01mmは素人感覚
精密機器に、安定した精度が要求されることは当然ですし、その精度を立証することも不可欠です。
ある精密機械の精度を立証するため、さらに精密な安定した精度を有する検査機器が必要となります。その機器の精度を立証するためには、堂堂巡りのような説明になってしまいます。でも、超精密機械の精度を検査し、その製作を託されているのは、最終的には“優れた職人の五感”なのです。人の手指の触覚は、0.01ミリメートルの凸凹を、簡単に識別することができます。頭髪のキューティクルは、逆立つと0.01ミリメートル程度です。手指で確認してください。これには、訓練を必要とはしません。“職人の指”は容易に0.001ミリメートルの凸凹を識別します。
みんな泣いています
圧迫法から転換し押圧法の練習を始めた指圧師はみんな例外なく落ち込んで泣いています。
〔指圧研究会・咲晩〕メンバーの感想文を掲載します。
〔感想文-1〕
午前の部、AちゃんとBさんと組み、大柄なBさんの肩甲間部を小柄なAちゃんが押している最中、Bさんが体の不調を訴えた。「背中が苦しくて我慢できないくらいだ」と言う。Aちゃんの押し方に極端に悪い押し方は見つけられなかったし、練習が始まって僅かの時間なのに、Bさんの体、背中の緊張が強くなって行くのがありありと見て取れた。「ちょっとオーバーじゃない?」と疑ってしまう程の急変だった。 たったこれだけで急変してしまう。普段の仕事で患者に同じ事が起きてしまったら・・・。と思うと、いつもながらゾッとしてしまう。午後の部、今度は、AちゃんとCさんと組んでの練習。
受け手⇒Cさん、押し手⇒私で横臥での肩甲間部後、仰臥位で大腿前面を押した。今までになく体のセットがしっくり行き、フワッと押せた。二点目に移動してもどんどん圧が入ってゆく。Cさんの体は筋性防衛が出やすく、硬い印象があったが今回はズボズボと指が入って行った。「これが筋性防衛が取れた。という状態なのか?」初めて実感した。しかし筋性防衛が取れる瞬間も感じなかったし、何の手ごたえもなく、気がついたら底なし沼に吸い込まれていく様に指がズボズボと入って行った。 手強いC城を攻め落とした様な達成感はあったが、「こんなもので良いのか?」という不確かさ不透明感があり、すっきりしなかった。「気がついたら筋性防衛が取れていた。」では偶然、まぐれみたいなもので再現できるか疑問だ。まぐれではなく常に出せなければ仕事にならない。指圧というものは一体何物なのか?過去に他の手技(圧迫法含む)を練習してきた時は進むうちに手ごたえがあり進行具合が判りやすかった。自分の自覚的、相手の自覚的にも。しかし、この指圧というものは進めば進むほど不透明になって行く気がする。どこに指標、手がかりを見つければ良いのか?
こんな状態がいつまで続くのか?ここに来て先が見えづらくなってきた気がする。
〔感想文-2〕
会場へ着くと、イキナリ平島先生を指圧すると言われ、とても緊張してしまいました。今まで教えて頂いたことを、頭の中でくりかえし、はんすうして臨みましたが、所詮身についているものしか出せないということを思い知らされました。「うまい圧迫法」このレベルで足ブミなのか、後退なのかわかりませんがつまりスキルが止まっていると診断されたような気分でした。その反面、自分でもまだ納得のゆくレベル、つまり本物の押圧はこんなもんじゃないはず、ではどうしたら近づけるのか?と自問している最中でもありましたので、先生に見透かされてしまった心の中を…それが正直な感想です。家に帰って、これまでの約2年半の内容を追いながら、何が自分に足りないのか、欠けているのかと考えてみましたがわかりません。10回、読み返しましたが、やっぱりわかりませんでした。
先生は、皆に受けた後で「基本はいくらおぼえても終りがない。極めるほど終りがない」と言われました。「やればやるほど難しく、自分のダメなところがみえてくる」とも以前言われたと思います。まったく袋小路に迷いこんでいる私ですが、不思議とこの時の先生のコトバをもう一度思いかえしていると、このままでは終わりたくない、このレベルでは嫌だという思いが湧いてきました。次に座布団を使って体の使い方が、圧迫法なのか押圧法なのかの違いを説明して頂いたのですが、十分に理解できないうちに終わってしまいました。まずはイメージ、認識をキチンともって臨床に臨まないといつの間にか圧迫法をやってしまい、流されてしまう。午後からの講義で、「指圧はなぜ効くのか?」というテーマで人の体を生きた全体として捉える、きちんとイメージをもって望むことが必要であると感じました。もっと他にもいろいろ認識を改めなくては押圧法に近づけない、今の自分とのギャップがうまってゆかないと考えさせられました。落ち込んではいませんが、道は遠いです。
〔感想文-3〕
自支の難しさを感じました。先生が上手に乗っかれるようになったね。と言われるのも納得です。指、手首のシメ、スタンス、自支…。気にしているとバラバラになってしまいました。ひとつでも狂うと指圧のデジタル化ではなくなってしまいますね。基礎を固める事の重要性を痛感しました。再認識と再確認を繰り返しながら、やっていきたいと思います。
〔感想文-4〕
この間、テレビを見ていたら、自転車に乗れるようになるまでの、脳の働きについてやっていて、以前同じ事を先生に教わった事を思い出しました。何回失敗しても、成功した時の記憶?だけが残るから何回失敗してもいい。(失敗した時は、エラーとなり神経回路がつながれないから)ここで、疑問が起こったのですが、ボールも自転車と同じですか?自転車に乗る。や、逆上がりが出来る。は、出来たかどうかハッキリしているので、理解し易いのですが、ボールが出来たかどうか、どうやって判断されるのか、出来たと思ったところで、その形の回路が出来上がってしまうのか?だとしたら、出来たと思ったら、本当はうまく出来ていなくても、それが成功例としてインプットされてしまうのか?ハッキリした成功、失敗のイメージが持てない時はどうなるのか?きれいなドーナッ型になるように、と思って練習していますが、自分で良いと思っていることが、本当に合っているのか、甚だ疑問です。どう練習したらいいのか?どうボールをがんばればいいのか教えて下さい。
一流の指圧師への道
一流指圧師への道を説く人は多い。しかし『診断や破壊を前提としない』で可能なのだろうか・・・。
何をもって一流と呼ぶのか・・・。道を説く人が自分自身で実行しているのか・・・。
なあ~んだ。まだ「ごじょごじょ」言ってるの。ハッキリ言ってやれよ。
「押圧法は独自のもの。圧迫法との共通性はない。
『診断や破壊を大前提とする』押圧法の基本を圧迫法では語れない。
そこが認識できない奴は、今後このHPに出入りするな。
〔指圧研究会・咲晩〕のメンバーは泣きながらも、脳性麻痺児に対応し効果を上げている。押圧法習得に必要なのは“才能ではなく継続である”以上・・・では皆さん、さ・よ・う・な・ら。
〔指圧研究会・咲晩〕
指圧研究会・咲晩(さばん)は疾病“治療専門”の指圧を習得練磨する有資格者の研究会です。
『咲晩』という名前の由来を問われると、表向きには「晩成でも良いから指圧師として花を咲かせたい」と答えますが、咲晩の本音は『押圧法のSavant』です。『SavantSyndrome』と呼ばれてもかまいません。