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指圧の副作用

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指圧の副作用

指圧の副作用  投稿者:花火 投稿日:2004/08/15(Sun) 20:09 No.248

お邪魔致します。卒業して3年目になります。在学中にCP講習会(初期)を一度だけ受けさせて頂いたことがあります。私自身、力任せ・受け手に体重を乗せる圧迫法には疑問を抱いておりました。ですから、自分の目指す治療と、実際自分が行う慰安指圧とに葛藤を抱きながら現在に至っております。この度ご質問させて頂きたい内容は、指圧の副作用です。
■69歳女性、40代からメニエール症、現在も時々症状があらわれます。脊柱管狭窄症と両変形性膝関節症(歩行困難)があり、腰痛・膝痛・めまい、が主訴で訪問(医療)マッサージの以来を週2回で賜わりました。
●1日目:施術後1~2時間後、めまいと動機がひどくなりました。
●2日目:(1週間後)1日目のことがあり、弱く行い変化はありません。
●3日目:(2日後)2日目が物足りないから強くして欲しいと言われ多少強めに行った結果、翌日、多汗と両上肢の振戦があり、振戦は物を持つと起こり、20日以上続いております。
→施術は30分で、背部、腹部、両下肢を行いました。本人は昔からあん摩、整体、鍼等を受け慣れており、「あん摩ズレしている」と自らおっしゃっておりました。確かに筋肉は弾力性を失い、まるでつきたてのお餅のようでした。今回の施術内容を詳細にお伝えすることは困難ですが、在学中の基本に、さらに筋性防御を意識して体重を乗せないよう意識して行いました。私自身も施術後、これだけ悪い結果になったのは初めでです。
これだけの副作用が指圧によってもたらされるものなのでしょうか?
質問内容と方法にいくらか問題があることと存じますが、ご無礼がございましたらお許し下さい。

Re:指圧の副作用  投稿者:教師猫 投稿日:2004/08/16(Mon) 19:03 No.249

花火さん。いらっしゃい。質問は歓迎いたします。

>この度ご質問させて頂きたい内容は、指圧の副作用です。
>これだけの副作用が指圧によってもたらされるものなのでしょうか?

せっかく質問を頂いたのですが、回答範囲が広すぎて、このまま答えたのでは花火さんの役に立ないと考えます。もう少し具体的施術と何をその施術の副作用と考えておられるのか教えてください。
心停止患者に『心臓マッサージ』を施した結果、肋骨骨折を生じたとします。
この時の肋骨骨折は不可抗力と考えますが、『心臓マッサージ』の副作用とはいえないと教師猫は考えます。花火さんはどう思われますか。

>筋性防御を意識して体重を乗せないよう意識して行いました。

??・・・『筋性防衛』と『体重を乗せる』『乗せない』の関係がわかりません。
患者の筋性防衛を解除した場合に「物足りないから強くして欲しい」といった要望を患者から受けた経験は教師猫には一度もありません。

>自分の目指す治療と、実際自分が行う慰安指圧とに葛藤を抱きながら現在に至っております。

筋性防衛の解除には、高度な押圧技術と診断技術が必要になります。
筋性防衛の解除技術を習得すれば、葛藤を抱く必要はないと考えます。

花火さん。一度、咲晩スタッフ養成講座へ参加されることをお勧めします。
担当講師は学校の後輩にあたるかも知れません。
もし彼らの技術が劣るようであれば、教師猫が担当させていただきます。

ありがとうございます  投稿者:花火 投稿日:2004/08/17(Tue) 02:02 No.250

御多忙の中、お返答頂きありがとうございます。申し訳ございません。質問の内容が漠然としておりました。「副作用」という言葉が適当ではないのかもしれません。「逆効果」と言ったほうがいいのかもしれません。(それも適当ではないのかもしれませんが…)
つまり、広義の意味で(指圧)刺激による今回のような「逆効果」が有り得るのでしょうか?今回の質問に関しましては、教師猫先生の経験上、「有り得る」「有り得ない」で構いません。……ある・なし、といわれても困ってしまいますよね…。
もちろん施術者の指圧レベルによると思います。熟練した押圧法では「逆効果」は有り得ないと思いますし、「圧迫法」によれば「逆効果」の可能性は無限だと思います。例えば、教師猫先生が筋性防御を解除したあと、その施術を故意に適切でない時間、持続した場合、生体をそこまで壊すことが可能なのでしょうか?(「そこまで」に具体的な定義はありませんが、今回のような手の振戦が続く場合などではいかがでしょうか?)

>もう少し具体的施術と何をその施術の副作用と考えておられるのか教えてください。

施術は仰臥位にて腹部~下肢を教本の基本通り+足関節の他動運動側臥にて両背部を教本通り
※硬結のある部分を重点的に行いました。
この度の副作用(逆効果)は、腹部指圧によって眩暈や振戦を助長してしまったのではないかと思っています。 補足)こちらの女性は週に1回整形外科へリハビリに通っています。

>心停止患者に……~略~花火さんはどう思われますか。

はい。それは不可抗力だと思います。

>患者の筋性防衛を解除した場合に「物足りないから強くして欲しい」といった要望を患者から受けた経験は教師猫には一度もありません。

はい。私は筋性防御を解除できているわけではありません。
私の根本的な考え方も間違っていると思います。以前、指圧の名人を名乗る先生に「指圧の極意は力を抜くことだ」と教えられ、単純に力を抜けば深部まで圧が入ると思っておりました。実際(我流ですが)今回の方の腹部施術では(御本人の表情が変わらないので)筋性防御が解除され深部まで圧が入っているように錯覚していたと思います。一方で、背部の施術おいては「物足りない」の一言で、学校で習った「圧迫法」で体重をかけ、その場しのぎの「慰安指圧」へ移行することで、信念も技術もない施術を行っているとに葛藤を感じるのです。
……個人的な質問で長々と書いてしまい、大変失礼致しました。
丁重なご返答、ありがとうございました。感謝致します。咲晩スタッフ養成講座へは是非是非参加したいのですが、現在、理由あって地方におり、難しいです。しかし、機会があれば是非参加させて頂きたいと存じます。

花火さんへ  投稿者:教師猫 投稿日:2004/08/17(Tue) 18:43 No.251

花火さん。教師猫の立場からお答えします。
掲示板では、はみ出しますので『教師猫のQ&A』に書き込みます。
その前に一言。

>物足りないから強くして欲しいと言われ多少強めに行った結果、翌日、多汗と両上肢の振戦があり、振戦は物を持つと起こり、20日以上続いております。

このことは、指圧の影響とは考えにくいので、病院での検査を勧めてください。
それでは、後日『教師猫のQ&A』でお会いしましょう。

お手数をかけて申し訳ござ...  投稿者:花火 投稿日:2004/08/17(Tue) 23:34 No.252

教師猫先生のお時間をいただき恐縮しております。後日『教師猫のQ&A』を拝見させていただきます。よろしくお願い致します。

>指圧の影響とは考えにくいので、病院での検査を勧めてください。

病院での診察では医師もよくわからないそうです。その後、訪問をキャンセルされており、詳しい検査を行ったかどうかは不明です。

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お答えします。

副作用とは、目的(主作用)以外の作用を呼びます。
一般には生体に不都合な作用を呼ぶことが多いようです。

頭痛薬で胃炎や薬物性頭痛が生じた場合を、頭痛薬の副作用による胃炎とか、少しややこしいのですが頭痛薬の副作用による薬物性頭痛と呼びます。
降圧剤を服用し低血圧症状になった場合や糖尿病治療のためのインシュリンで低血糖になった場合も"治療を目的とした作用で、目的以外の作用が生じた場合"ですが、これは副作用とは呼べないと教師猫は考えます。これは不可抗力であったとしても副作用ではなく、投薬ミスと区別されると考えます。前例の心臓マッサージを施した結果、肋骨骨折を生じた場合も不可抗力か否かの問題や是非論は別にして、過剰な刺激と判断されると考えます。 背部痛緩和のための背部施術で肋骨骨折を生じた場合は、過剰な刺激による骨折であり、患者の希望による強圧であれ、患者が背部痛を告げていなくても、施術ミスと考えます。押圧法の基本である、完全に自支を行い筋性防衛に注意をすれば、他覚的診断で確実に対応できます。

心悸亢進の症状に前頚部指圧による頚動脈洞反射や眼球掌圧によるアシュネル反射の効果は有効です。しかし過剰になると危険です。これらも副作用ではなく、施術加減ミスと考えます。副交感神経の異常興奮が原因となることは比較的少ないのですが、循環器や呼吸器疾患患者には注意が必要です。患者観察を目的とし"会話をしながら施術"することで予防が可能となります。
過剰刺激による最も危険な例は交感神経の異常興奮による血圧上昇です。高血圧患者や脱水状態が予想される患者及びスポーツ直後や飲酒のお客さんには十分注意してください。
元々高血圧。炎天下でゴルフ、ひと風呂浴びて、ビール。ゴルフでライバルに負け「お前、もっと強く押せ、全然効かないぞ」痛くてもやせ我慢、そのうち"高いびき"。おわかりですネ。脳血管障害や心筋梗塞の大安売り。これらの初期症状は学習しておいてください。

押圧法の名人である教師猫。十分な技術とキャリア、初心者みたいな過剰刺激など……。 ごめんなさい。度々やっています。治療効果を急ぐと過剰刺激になりやすい、他に刺激に対する個人差があります。人は物ではありません。十分に配慮しても過剰刺激になる場合があります。初診患者にはキャリアは役に立たないと考えます。一人一人の患者情報は個別に集め個別に判断するように心掛けています。

過剰刺激と破壊は異なります。過剰刺激の影響は数日。一週間以上継続するようであれば破壊と考えます。破壊は押圧法の基本を守れば予防できると確信しています。私たち医療従事者が最も注意すべきは患者の治療ではなく、破壊防止だと考えます。「あの先生は治せない」という声を甘んじて受け「あの先生に壊された」ということのないように、教師猫は心掛けています。慢性的に患者を破壊していく『苦痛効果』は、患者を十分指導することにより回避しています。

ご紹介します

今回、花火さんの質問に答えるためにモデルとしてゲストをお招きしました。お盆でお母さんと里帰りされ、あちこちで"モテモテ"という過密スケジュールのスーパースターに来院して頂ました。

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マネージャーのお母さんに出演交渉をした結果「最近、自己判断で相手を選ぶので、直接交渉して本人が承諾すればOK」との回答を頂きました。お母さんの承諾を得、早速直接交渉に入りました。幸い教師猫とは旧知の間柄なのです。2ヶ月ほど前にお会いしており初対面ではありません。
『指圧があれば歳の差なんて』、手指で理解を深め最後には間接キス(写真:右)快くモデルを引き受けていただきました。

無防備です

>例えば、教師猫先生が筋性防御を解除したあと、その施術を故意に適切でない時間、持続した場合、生体をそこまで壊すことが可能なのでしょうか?

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花火さん。筋性防衛は完全に解除しました。メンタルディファンス(心性防衛)も解除されています。さあ、花火さん。自分の体重を自分で支えないで、親指に全体重を移動してください。

花火さんの質問を非難する意志はありませんが、教師猫には想像できない世界です。
想像できない世界を具体的に説明することは不可能です。ごめんなさい。
ストレス解消のため写真にカーソルを重ねてください。笑顔は本当にいいものです。


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