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第10回 押圧操作(移動動作)

自己崩落の回避

押圧法について、基本の基礎からその操作法の概略を説明してきました。本来は本講座の担当講師が各人の習得レベルに応じて提供すべき内容をHPで公表しました。HPの内容は今後も更新予定ですが、担当講師の指導のもとに、確実に基礎から積み上げてください。器用な方であれば、ここまで短期間で登れると考えます。しかし、技術習得は目標を見上げるものではなく足元を見下げて積み上げるもの。自己判断せず、担当講師の指導に従い自己崩落を避けてください。

押圧操作

押圧操作では、必須である“圧方向の無変化”のため、移動動作と加圧動作を明確に区別します。押圧操作は移動動作と加圧動作のいずれであれ、終始自支を必須とします。ここでは最大スタンスから推進動作で行なう水平方向の動作を移動動作と呼び、抗重力動作で行なう垂直方向の動作を加圧動作と呼んで説明します。理論的には同じですが、側臥位での肩甲間部の水平加圧法や肩甲上部や頚部等の加圧法の基本動作と混同しないで下さい。なお自己判断による他部位への応用は技術習得の妨げとなるばかりではなく、時に危険です。初級最大スタンス移動動作に一定の安定を得られてから練習を開始してください。初級最大スタンス移動動作に一定の安定を得られていない場合は先に進まないで下さい。先に進んだ場合は、初級最大スタンス移動動作訓練は今後行なわないで下さい。仮に行なう場合は2~3回のアップ程度に留めてください。

移動動作とは

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移動動作とは、スタンス姿勢から加圧姿勢(加圧終了姿勢から次の加圧姿勢)までの水平動作を呼びます。先に練習した最大スタンス姿勢から体幹を前後に移動する“初級最大スタンス移動動作”に体幹の前屈操作を加えます。この時、左右の肩峰を結ぶ直線〔D‐E〕と左右の上前腸骨棘を結ぶ直線〔H‐I〕は平行を保ちますが、初級最大スタンス移動動作姿勢のままでは前側下肢が体幹の前屈の妨げとなります。直線〔D‐E〕と直線〔H‐I〕を平行に保ちつつ、直線〔D‐E〕と加圧点〔A〕での二等辺三角形を保てる位置に前方足趾底部接地点〔C〕を定めます。前方足趾底部接地点〔C〕は体幹の最大前屈位で上肢や下肢のしめ操作を共調できる最小移動位置です。この姿勢を最大スタンス姿勢と呼びます。

移動終了姿勢認識

まずは、移動開始姿勢と移動終了姿勢の認識が必要です。移動終了姿勢とは加圧動作開始姿勢で、押圧法の必須条件を全て可能とする姿勢です。移動開始姿勢とは移動終了姿勢(加圧動作開始姿勢)を後方に水平移動し、体幹を起こせば最大スタンス姿勢となる姿勢です。あえて、移動開始姿勢と移動終了姿勢の説明の順番を逆に行ないました。その理由は、移動終了姿勢が加圧動作開始姿勢であり、移動終了姿勢が押圧法必須条件を全て可能とする姿勢でなければならないからです。

姿勢訓練法

移動終了姿勢を先に作ります。(移動終了姿勢を必須項目で確認したら)そのまま後方に移動します。体幹を起こせば最大スタンス姿勢となる移動開始姿勢と最大スタンス姿勢を練習します。
体幹と四肢の位置条件を厳守します。担当講師の指導を受けて姿勢の確認をしてください。

移動操作訓練

写真にカーソルを重ねてください。移動開始姿勢から移動終了姿勢へ換わります。

image02121.jpegimage02121.jpeg

最大スタンスから、移動開始姿勢の必須項目を確認し移動終了姿勢へ移る訓練を行ないます。
訓練の一法として、移動終了姿勢から移動開始姿勢や最大スタンス姿勢を習練して下さい。

参照
押圧法が最も安全性の高い手技である根拠は、押圧法独自の自支にあります。
自支ができなければ押圧法とは呼べない、単なる危険な圧迫行為となります。





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