治療ってな~に
治療ってな~に
病気とは、生物の局所や全身の働きに異常が生じて、身体の機能が正常には働いていない状態やいろいろな苦痛を訴える現象を呼びます。
治るとは、身体の機能が正常に働かない状態から、再び正常に働く状態に戻ることで、病気の状態が回復し望ましい状態になることです。治癒と呼びます。
自然治癒とは、身体に備わった治癒力のみで病気の状態から回復することで、自然治癒力(自然治癒能力)とは、安静の確保やエネルギーの回復などで治癒を獲得する能力で、一般に“体力”と呼ばれているものです。
治すとは、自然治癒力のみでは治癒が困難な状態を治癒に導くことや自然治癒を促進することで、身体を病気から治癒に導くことを呼びます。
治療とは、病気やけがを治すことで、そのための手段を“治療法”と呼びます。
やじろべえ(弥次郎兵衛)の治療
やじろべえは、短い立棒に湾曲した細長い横棒を付け、その両端に重しを備えバランスを保っています。そのため、やじろべえを傾けても自身の復元力で元に戻ります。やじろべえを生体に例えると、この復元力をホメオスタシス機能と呼びます。自然治癒力も生体の持つホメオスタシス機能の1つです。
やじろべえがバランスを保てず、傾いて元に戻れなくなった状態や倒れてしまったら、『病気』です。もし、傾いたやじろべえが自身の復元力で元に戻った場合は『治った』と呼びます。もちろん、倒れてしまったら、やじろべえ自身の自然治癒力(自身の力で元に戻る・病気の状態から回復する)の範囲を超えていますので、この時、やじろべえを傾けても自身の復元力で元に戻れる状態まで『治す』ことが必要となります。このことを“治療”と呼び、この手段を“治療法”と呼びます。
治るとは、再び正常に働く状態に戻ることです。運動機能などの習得不全とは、根本的に異なりますので、混同しないように注意してください。
病気・治る・自然治癒・自然治癒力・治す・治療・治療法などは重要なキーワードとなります。イメージ的に理解してください。次回は、“ホメオスタシス”について。