Q「いい汗かこう」と言いますが、いい汗とはどんな汗ですか?
いい汗は、汗腺の働きが良い状態の汗です。汗には精神的に緊張した時に出る精神性発汗と体温調節の為の散熱性発汗があり、後者を説明します。
汗は、皮膚表面の汗腺と呼ばれる器官で作られます。
汗の原料は《体液》です。体液は、水分と多くのミネラルを含んでいます。
汗腺では分泌した体液中のミネラルを再吸収して、汗(水分のみ)を分泌します。
『体温を下げるため汗をかく』、これは人が獲得した優れた体温調節能力です。(体温調節のために汗をかく動物は少ない)汗腺の機能低下は発汗量の調節やミネラルの再吸収能力の低下ともなり、発汗能力の優劣は深部体温の維持や、ミネラルや水分の調節機能の優劣に大きな影響を与えます。発汗能力の獲得は後天的なものです。 (幼児は体表面積比率が高く、気候の影響を受けやすい)
汗腺の働きをよくするためには、汗腺を訓練することです。
体力にあわせて少し暑い所で、汗をかく練習から始めましょう。
もちろん、水分とミネラルの補給が必要です。
2~3倍に薄めたスポーツドリンクが最適でしょう。
発汗直後の汗は無臭です。しかし、皮膚には無数の常在菌がいます。これらの常在菌が汗の成分を餌にし、代謝産物(うんち)を排泄します。汗臭いのは汗の臭いではありません。常在菌の“うんち”が匂うのです。不要な汗は早めに拭き取ってください。体温の低下や汗臭さも防げます。
皮膚の汚れを取り、赤のリトマス試験紙を皮膚に触れないように注意して、新鮮な汗を吸収させます。ミネラルを多く含む汗は赤の試験紙を青く変色させます。
汗をかくのを嫌い、水分摂取量を減らすのは危険です。水分摂取量が直接的に汗の量に影響を与えることはありません。(尿量が増えることはあります)