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解剖学の読み方

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Re: すっごい(>o<)  投稿者:たまねぎ 投稿日:2004/07/03(Sat) 08:31 No.156

〔抜粋〕
指圧師として必要な「解剖学の読み方」というのはあるのかなぁ・・?
学校のときは、「国家試験の勉強」としてまず暗記に走ってしまいました。クスン。
教師猫さま、指圧師として必要な「解剖学の読み方」を教えてくださいませ。

たまねぎさん  投稿者:教師猫 投稿日:2004/07/03(Sat) 23:18 No.157

>指圧師として必要な「解剖学の読み方」を教えてくださいませ。

たまねぎさん。なんとも抽象的な、答えようもない。
金にもならん質問をありがとう。<(`^´)>
しかし、質問された以上、答えるのが教師猫の教師猫たる所以である。
指圧師として必要な…では枠が広すぎるので、臨床現場の指圧師。
いや、教師猫の場合に限定して答えます。
まず、あらゆる質問に対して、金にならない答え方をしないことです。
金にならぬ答え方とは質問者に何も提供できずに己の愚かさだけをさらす。
今の私のような状態を言います。
まず、質問者に対し質問内容を具体的に聞き出すための再質問を行う習慣を持つことです。
臨床的には最初の質問の裏に本音の質問が隠されていることがほとんどです。
時に最初の質問にはいかに真剣に答えても全く意味がない場合も少なくありません。
だからといって、フザケテいいわけではありません。その時、患者はあなたが自分の質問にどれ程本気で答えようとしてくれているかを計っています。自分が本音の質問をぶつける相手かどうか吟味しています。 この時間的ロスを防ぐためには、相手の質問の目的を知り、効率の良い答えを提供するための再質問が大切です。 この掲示板では答えを書いても返事をくれない。再質問にもなかなか応じてくれない可能性が高いので、勝手に書き込みますが、このような独りよがりの(解答を書く)行為は臨床的には価値のない、金にならない行為であることを覚えて下さい。

たまねぎさん。
本気で質問したいのなら、質問の内容、いわゆる「解剖学の読み方」について、もう少し具体的に質問して下さい。臨床家の教師猫が、患者に学問を語ることはありません。なぜなら学問は科学であり、患者は個人だからです。ですから患者に対し、体の話をすることはあっても、解剖学的見方をすることはありません。墨字は死物です、人は生物です。学問はバーチャル世界であり、臨床家の世界はリアルです。指圧師として必要な「解剖学の読み方」として求められるものは、バーチャル世界の解剖学をリアル世界で読み解く必要があること知ることから始めて下さい。「肩こりは僧帽筋が・・・」と議論する前に、肩こりが日本人にしかない病気であることを知り、なぜ日本人だけなのかをリアル解剖学的に調べるのも面白いです。そうすれば、何処へ行っても治らなかった肩こりが治ったと、患者は喜んでお金を払ってくれます。

少し、意地悪な回答法でお返事しました。言葉の意味が分からなければ再質問。
これが、この掲示板のルールとしましょう。

Re:たまねぎさん  投稿者:たまねぎ 投稿日:2004/07/06(Tue) 11:20 No.162

教師猫さま
レス有り難うございますm(_ _)m遅くなりましたが、質問をより詳しくして再質問します。
例えば骨格筋に関してですが、学校で解剖を勉強したときには、筋肉の作用(屈曲、伸展など)と支配神経との関連を主に覚えました。HPにあるような抗重力筋、推進筋といった分け方は今までしたことがなかったですし、単関節筋、多関節筋、随意、不随意の程度といったことも考えたこともありませんでした。(単に勉強不足・・・かも?)でも初めてこの知識を知ったときは、「へぇーそうなんだ!なるほど、がってん♪」と感じたのを覚えています。どんどん細分化していけば覚えることはきりがないと思います。そこで①治療に必要な知識を得るには、どこまでの「深さ」を目安とすればよいのか。個々の患者に対応したときに、その都度必要に応じた勉強をひとつひとつ積み重ねていけばよいのでしょうか。それから②相手にそうなんだ、と思わせるような"商品として"の知識を得る手法、というか切り口、着眼点をどのように持てばよいのでしょうか。

>バーチャル世界の解剖学をリアル世界で読み解く必要がある。
>なぜ日本人だけなのかをリアル解剖学的に調べる

……とありますが、この場合、リアルというのは患者に触れながら、という意味でしょうか。
たぶん、自分がこんなことを質問されたら、「それは自分で考えなさい(笑)」と言ってしまうでしょう。珍問&愚問でスミマセン。どうぞよろしくお願いします。

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お答えします。

ここまで追いかけられちゃーしょうがない。(-_-)zzz   答えましょう。
ただ、素直に答えたんじゃー、教師猫らしくもないし、なーんにも面白くもない。
どんな答えが欲しいですか?いくつ答えが欲しいですか?昨日の答え、今日の答え それとも明日の答えにしましょうか?・・・。ふざけるなーって、ふざけてはいませんよ。

まず「答」について、「答」とは問題を解いた結果をいいます。「答」の多くは学業で用いられ そのほとんどが、まず、「答」が作られ、それを集中思考で求めるための問題が作られます。 そのため、正解は多くの場合1つです。問題に不備があるとか修学していないという理由で 排除できる、教師猫がバーチャル世界と呼ぶバーチャル・リアリティー(仮想現実)の産物です。

「答え」とは、他から作用を受けて示す反応を言います。問題を解いた結果ではありません。 「答え」を集中思考で求める傾向が強いのには困ったものです。「答」は自分の知識の範囲で 捜せばいいのです。見つからなければ「習っていない」と放り出せばよいのですから。 「答え」は拡散思考と集中思考を駆使して導き出すもので、いくつもの「答え」があるのです。

さて、指圧師として必要な「解剖学の読み方」について、いくつかお答えしましょう。

最も指圧師らしいのは「一指万物を生ず」だと考えます。これは徳治郎先生の言葉です。 自らの指をひたすら練磨し、押圧法の極意「診断即治療」にて患者に対応することです。 解剖学・生理学・病理学などの全ての医学知識が不要になるばかりでなく、患者に対し それらに対する理解力を求めることも不要となります。白痴の障害児から痴呆の老人まで 一言の言葉も交わさず、患者の心身を把握することさえできます。

臨床専門の指圧師としては「他覚的結果を出しやすい」読み方を行なうのも良いと考えます。臨床家へ指圧を依頼するのは、患者です。患者には必ず愁訴があります。その愁訴には当然原因があります。その愁訴の近因や遠因あるいは主因や副因を問わず、ほとんどが解剖学的なアンバランスが生じています。これらのなかで最も他覚的結果を出しやすい所見を患者の愁訴原因(誘因、時には主因)として患者に示し、治療結果を他覚的に患者に示す方法です。

最も妥当なのは「疾患の原因や結果を解剖学的に読み解く」方法だと考えます。
慢性腰痛疾患の原因として、腰椎の後屈があげられます。従来から腰痛疾患の原因とされる慢性疲労や加齢に伴うもので、どちらかといえば老人性です。昨今では、若年性の慢性腰痛が増加しています。従来の腰椎の後屈ではなく、突き出し骨盤と称する腰椎過前屈が認められます。両者は同一愁訴で、原因の異なる疾患です。当然ですが、対応(予防・治療)法が異なります。参考程度に書き加えますが、腰椎の後屈と前屈が出生時代で分かれる傾向があるようです。1945年以前の出生者には腰椎の後屈が多く、1965年以降の出生者には腰椎過前屈が多い傾向が認められるようです。生活様式の著しい変化によると影響と考えています。生活様式の違いといえば、ヨーロッパ人も日本人も生活の中で、包丁やノコギリを使用しますが、彼らはそれを主に押して使用します。日本人は引いて使用します。この動作を主因として肘関節疾患が発生した場合の対応として「鎮痛剤とシップ」であれば考慮する必要がない機能解剖学的な所見も重要だと考えます。

>どんどん細分化していけば覚えることはきりがないと思います。そこで①治療に必要な知識を得るには、どこまでの「深さ」を目安とすればよいのか。個々の患者に対応したときに、その都度必要に応じた勉強をひとつひとつ積み重ねていけばよいのでしょうか。それから②相手にそうなんだ、と思わせるような"商品として"の知識を得る手法、というか切り口、着眼点をどのように持てばよいのでしょうか。

『指圧の心・母心』の本当の意味と真価がそこにあります。指圧のスローガンである「母心」は何時しか"わが子を思う母の心"と伝えられ理解されているようです。これは指圧賛歌の歌詞に取り入れられてから変わりました。本来の意味は「病気で苦しむ母親を思う少年の心」なのです。リュウマチで苦しむ母親に一押し一押しにその心をこめていった、少年徳治郎の心なのです。単なる学問としてではなく、この思いを抱いて学ぶことだと考えます。現在、『母心』を本講座では、自分を(頼って)訪れた患者さんの母親が、「自分と同じ知識と技術を持つならばどうするだろうか」と自問し、母親の立場に立った言動で対応するように指導しています。切り口、着眼点も母心で対応してください。

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