第16回 足趾操作(移動動作)
下肢操作
押圧操作において、下肢操作は足趾操作・足関節操作・膝関節操作・股関節操作に大別されます。
なお股関節操作の一部は体幹操作に含まれますので注意と区別が必要となります。
押圧法の特徴でもあり、特定の筋肉を酷使せず特別な筋力を必要としない、支点や力点を定めない
操作を駆使するには下肢操作の習得も欠かせません。
移動動作における下肢操作
押圧法では、移動動作と加圧動作を明確に区別します。このため水平方向に行なう移動動作における下肢操作と垂直方向に行なう加圧動作における下肢操作は区別して習練します。
移動動作の開始と終了姿勢を撮影しました。多少、下肢操作を誇張しています。
移動動作正面
移動開始と移動終了の下肢操作を比較し、変化を読み解く習練も行なってください。
移動動作側面
移動動作(開始・終了)正面
移動開始と終了の写真を重ねてみました。写真の上にカーソルを重ねると画像が切り替わります。
加圧直前と加圧中の写真が入れ替わります。
移動動作(開始・終了)側面
足趾操作
足趾操作とは文字通り、押圧操作(移動動作や加圧動作)における足趾の操作を呼びます。
移動動作と加圧動作では足趾操作も異なりますので注意が必要です。ここに掲載する写真は移動操作の足趾操作です。足趾作りも大切な「指作り」であることを認識してください。
移動動作(開始・終了)前方下腿正面
移動動作(開始・終了)前方下腿外側
移動動作(開始・終了)前方下腿内側
移動動作(開始・終了)後方下腿
移動動作(開始・終了)後方足趾
本来、移動動作(開始・終了・しめ)後方足趾は一連の動作のため3枚の写真を続けてみるのが有効ですが、カーソル重ねで切り替えられる画像は2枚が限界のため、(開始・終了)と(終了・しめ)に分けて表示します。
移動動作(終了・しめ)後方足趾
足趾操作について
足元が不安定では、押圧効果は望めません。それ以前に施術者自身が自分自身を支える、押圧法の基本動作である『自支』の習得も困難です。スムーズな移動動作や高度な加圧動作を未熟な足趾操作で得ることは不可能ともいえます。しかし〔指圧研究会・咲晩〕および「スタッフ養成講座」において足趾操作を指導する順序は、 初級カリキュラムの後半となります。これは押圧操作の全てが母指および手指による高度な押圧を目的とするためです。押圧法において移動動作や加圧動作は全て母指および手指によって誘導されます。早すぎる足趾操作の習練や習得は高度な押圧法習得の妨げともなりえます。
HPは参照とし、担当講師が受講生各人の習得レベルに応じて提供する内容を習練・習得してください。
備考
乳児が運動機能を獲得していく順序について、イメージ的に考えてみましょう。
一般に乳幼児は、自立歩行の前に寝返りや這い這いという動作を獲得します。これらはその後の運動機能獲得に重要となります。しかし、高度な運動機能の獲得に従い、初期に獲得した操作を行なわなくなります。自立歩行を獲得した幼児が行なう寝返り操作は乳児期に獲得した寝返り操作と異なります。乳児期の移動動作獲得における最大の目的は、移動における視野安定の獲得だと考えています。
さらに、視野安定の為の運動機能獲得を誘導するものは頭部だとも考えています。