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やりすぎ?

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やりすぎ?  投稿者:ドム 投稿日:2005/04/09(Sat) 19:09 No.580

こんにちは。
最近患者さんによく「指圧後(中)すごく眠くなる」言われます。また人によりますがときどき「施術後に 体がだるくなるけどしばらく寝転んでいると快調になる」と言われます。施術は30~45分くらいですが…。 時間かけすぎですかね?集中しているからもっと気楽にやったほうがいいんでしょうか?

Re:やりすぎ?  投稿者:教師猫 投稿日:2005/04/10(Sun) 00:47 No.581

こんばんは。ドムさん。
ドムさん。教師猫の再質問に答えてください。

>最近患者さんによく「指圧後(中)すごく眠くなる」言われます。

以前はどうでしたか?特定の患者さんに限りますか?施術中に覚醒を促していますか(会話の有無)?
疾患や愁訴の程度は?施術場所(通院それとも往診)は?施術の間隔は定期的ですか?
腹部と背部どちらが緊張していますか?精神疲労と肉体疲労のどちらを強く感じますか?
メンタルディファンスとマッスルディファンスのどちらを強く感じますか?
施術法や施術の順序は毎回同じですか?施術部位が毎回異なっていますか?

>「施術後に体がだるくなるけどしばらく寝転んでいると快調になる」と言われます。

患者さんの主な目的は疾病治療ですか、それとも健康維持ですか?
だるさの程度(苦痛の有無)は?しばらくとはどのくらいの時間ですか?
圧加減に対する患者さんの希望はありますか?強い押方と弱い押し方のどちらを好まれますか?
強圧と軽圧のどちらに強いディファンスを感じますか?

>施術は30~45分くらいですが…。時間かけすぎですかね?

硬結は明確ですか?硬結の緩み具合は?圧加減に緩急がありますか?
強圧と軽圧による硬結の緩み具合はどうですか?全身と局所のどちらをメインにしていますか?

最後に押圧法の練習で現在苦労している内容を1つだけ具体的に教えて下さい。

Re:やりすぎ?  投稿者:ドム 投稿日:2005/04/11(Mon) 18:40 No.584

うわっ。スゴイ量だ。

>以前はどうでしたか?特定の患者さんに限りますか?

最近始めた患者さん2人です。

>施術中に覚醒を促していますか(会話の有無)?

促してはいません。話しかけられたら話していますが。

>疾患や愁訴の程度は?施術場所(通院それとも往診)は?施術の間隔は定期的ですか?

一人(Aさん)は変形性腰椎症と椎間板ヘルニアで坐骨神経痛の治療。
もう一人(Bさん)は中心性頚髄損傷で往診で週二回の間隔。

>腹部と背部どちらが緊張していますか?精神疲労と肉体疲労のどちらを強く感じますか?メンタルディファンスとマッスルディファンスのどちらを強く感じますか?

Aさんは背部。Bさんは腹部。共に肉体疲労でマッスルディファンスかな?

>施術法や施術の順序は毎回同じですか?施術部位が毎回異なっていますか?

ほぼ同じです。

>患者さんの主な目的は疾病治療ですか、それとも健康維持ですか?だるさの程度(苦痛の有無)は?しばらくとはどのくらいの時間ですか?圧加減に対する患者さんの希望はありますか?強い押方と弱い押し方のどちらを好まれますか?強圧と軽圧のどちらに強いディファンスを感じますか?

お客さんでなく患者さんなので疾病治療です。施術部位、施術法等こちらで決めてます。だるさの程度は動けなくはないけど動きたくないくらいとのこと。時間にして30分くらい?

>硬結は明確ですか?硬結の緩み具合は?圧加減に緩急がありますか?強圧と軽圧による硬結の緩み具合はどうですか?全身と局所のどちらをメインにしていますか?

明確ではないがこれかなと分かる程度。加圧を持続すると7割くらい緩む。圧加減はフワーと押す感じ。強圧だと緩みにくく、軽圧の方が緩む気がします。局所の施術がメイン。

>最後に押圧法の練習で現在苦労している内容を1つだけ具体的に教えて下さい。

四指操作、シメ、加圧時の下肢操作。

Re:やりすぎ?  投稿者:教師猫 投稿日:2005/04/12(Tue) 00:13 No.585

こんばんは。ドムさん。
本当は患者さんの個人情報が欲しいのですが、掲示板ゆえに慎みます。
以下、個人情報を得られないことを前提とした、ドムさんの指情報によるリモコンを行ないます。

AさんとBさんを分けて指導しますので、そのつもりで。

変形性腰椎症と椎間板ヘルニアで坐骨神経痛の治療中のAさんには、最初に背部を触診程度に流し、前頚部と側頚部を左右均一に合計10分、筋性防衛を考慮した強めの浅い圧で施術してください。
手指操作は、少し小指を意識して巻き込んでください。その後背部に戻り、従来どおりの部位を施術。
合計施術時間は30分~35分にしてください。

頚髄損傷のBさんは従来どおりの施術部位を行い、最後に足趾と手指の指圧を加えてください。
足趾は左右で8分、手指を左右で2分。合計施術時間は40分。

患者さんには「個別治療のための個人差情報収集」である旨を十分に伝えてください。
施術後のドムさんおよび患者さんの感想と結果を報告してください。再指導します。

報告  投稿者:ドム 投稿日:2005/04/13(Wed) 21:09 No.592

先日相談しました2人のお宅へ本日行って施術してきました。

まずAさんですが右側の肩甲骨下角くらいの高さから10cmほど下に向かい起立筋が盛り上がっているので頚部施術後にその部位を押す。左右差がほぼなくなったので臀部などその他の部位を行い、ラセーグ徴候が減弱しているのを自覚させ終了。
Aさん曰く「今日はだるさがない」とのこと。
本当かよと?少し疑う。

次にBさん。雨という気候と体温調節機能が不良、左下肢機能全廃ということもあり特に足部がとても 冷たい(左<右)。指示通りに施術し終わる。覚醒を促すため会話につとめる。
Aさん同様だるさ、眠気はないそうです。

>筋性防衛を考慮した強めの浅い圧…。やり方がよくわかりませんでした。

Re: やりすぎ?  投稿者:教師猫 投稿日:2005/04/13(Wed) 23:47 No.593

ドムさん。

>Aさん曰く「今日はだるさがない」とのこと。本当かよと?少し疑う。

なぜ、教師猫の質問に答えただけで、指情報によるリモコンができるのか本気で疑いなさい。
理由にたどり着けなくても、このようなことが事実として生じることを確実に情報として蓄積しなさい。
3~4回は同じ施術法を続けなさい。従来とは異なるだるさをBさんが訴えます。
Aさんに全く異なる愁訴が出現する可能性があります。本人も現病とは無関係と感じるでしょう。
注意して観察し、後日報告してください。

押圧法には規則性があります。これらを再現する基礎を習得すればリモコンは可能となります。

>筋性防衛を考慮した強めの浅い圧…。やり方がよくわかりませんでした。

キムチさんへの回答の後にれいの場所に書き込みます。

優しい、教師猫より。

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お答えします。

>筋性防衛を考慮した強めの浅い圧…。やり方がよくわかりませんでした。

筋性防衛を『考慮』することと、筋性防衛の『解除』とは異なります。筋性防衛の解除は押圧法の重要な基礎です。“筋性防衛の解除認識”を欠いた押圧法理論は成立せず “筋性防衛の解除技術”が欠ければ押圧効果の医学的再現性(科学性)は著しく低下し、手技療法(医療技術)としての押圧法の独自性が失われます。しかし、指圧の副作用の中でも触れましたが、 無防備な状態への過剰圧刺激は危険極まりないものです。そこで重要となるのが筋性防衛への『考慮』です。


ディファンスと呼ぶ骨格筋の防衛反応

「筋性防衛」というと、“壁側腹膜の炎症で腹部の触診時に腹壁が硬く触れる腹筋の緊張(muscular defense)”と混同される可能性が生じてきました。そこで、過剰な圧刺激に対する骨格筋の防衛反応を『マッスル・ディファンス』と呼び、壁側腹膜炎症による腹筋の緊張(muscular defense)と区別しました。と Re: メンタルディファンスでも説明しましたように、押圧法でディファンスと呼ぶのは、炎症による腹筋の緊張(muscular defense)ではなく、過剰な刺激に対する骨格筋の防衛であることを再確認してください。


瞬時の体調異変と改善

押圧法において、筋性防衛解除に欠ければ効果や独自性が失われ、筋性防衛解除(無防備)状態への過剰な圧刺激は危険なものともなります。これは“未熟な技術ゆえ”の過剰な圧刺激等で生じる暴力的な破壊とは全く異なりますが、時として極めて危険な破壊力を有します。 押圧法の必須と非必須条件 を満たした漸増漸減圧は『Re: メンタルディファンス』や『トップページ』の幼児の様に完全に筋性防衛が解除されてしまい、この状態での過剰な圧刺激は極めて危険な“苦痛なき破壊”さえ生じます。
〔指圧研究会・咲晩〕研究会で教師猫が見せる、瞬間的圧による身体の他覚的変化が逆に作用すればどうなるか。想像してください。最近、研究会で時折生じる“体調の異変”。押手も受手も『さしたる加圧』を感じていないにもかかわらず、教師猫が会場を飛び回り“体調の異変者”を改善して回らねばならぬ実態をどのように考えますか。さらに、体調の異変も改善も『瞬時』である事実を再認識してください。


禁止の論拠

押圧法では『指圧は痛いほど効くのですか』でも触れましたが、身体の防衛反応を利用した苦痛刺激によって鎮痛や快楽作用(ベーター・エンドルフィン効果)を得ることは『たとえ望まれても』不可とすることを原則としています。これは、自覚症や他覚症の一時的改善は認められても、疾病治療の医学的論拠が乏しく、生体(患者さん)に不利な影響を与える可能性が高いことや、医学的専門知識が必要な疾病治療目的でなく、医学的論拠を必要としない慰安行為に施術法が流れると考えるためです。教師猫は〔指圧研究会・咲晩〕メンバーに疾病治療専門の施術法を指導することを旨とし、『医学的論拠に乏しい』手技や手法を禁じています。


危険認識

押圧法では筋性防衛の解除技術がなければ効果がなく、筋性防衛解除の技術を習得した漸増漸減圧は“苦痛なき破壊”さえ生じます。言い換えれば、医療行為のなかでも『最も危険な手技』ともいえます。このような表現をすると、〔指圧研究会・咲晩〕スタッフ養成講座受講生やHP読者のなかに押圧法に対し不安を抱く方々が出現しそうです。そんな方々に、一言、『うぬぼれるな』と教師猫から申し上げます。“苦痛なき破壊”を生じさせるためには、幼児の“マッスルディファンス”と“メンタルディファンス”の双方を完全に解除し、無防備な状態に導き、さらに“苦痛なき破壊”刺激を入れるという技術が不可欠です。

押圧法では、基礎技術向上と共に『加圧による危険認識』を改めなければなりません。『指圧は安全か否か』という議論は『車は安全か』という議論に似ています。車が完全に安全なものであれば、危険性を指導する必要はなく、運転免許制度そのものも不要です。施術に免許が必要な指圧の指導において、危険性の指導は最優先されなければなりません。「指圧技術の向上により危険度が下がる」と言うのは素人レベルの技術において論じられることです。疾病治療専門のプロが『指圧は安全』と本気で考えるとすれば・・・。それは論外で、指圧認識の根幹が欠如しています。

押圧法では技術の向上と共に『効果と危険性』が表裏一体となって高まります。 効果に目を奪われず、危険回避のために『加圧の危険性』に着目し、技術向上と共に『危険認識』を改めることが不可欠です。



筋性防衛を考慮した強めの浅い圧

『強めの浅い圧』や『弱めの深い圧』などは筋性防衛を考慮すれば自在に行なうことができます。
詳細は研究会で実技指導しますが、基礎ができていれば容易ですからドムさんの要望にお答えします。

『強めの浅い圧』
筋性防衛を順に解除する方法の応用です。上層部のディファンスを解除し、下層部にディファンスを生じさせながら強めに加圧します。下層部にディファンスを生じさせることで、加圧部位への影響を最小限に抑え、筋の走行を利用しての加圧目標層への水平方向加圧が目的となります。圧反射を母指で捕らえながら、遠位部位の加圧効果を確認してください。

『弱めの深い圧』
これも、筋性防衛を順に解除する方法の応用です。筋性防衛を順に解除する方法の訓練では、各層において筋性防衛を意図的に生じさせ解除していきますが、『弱めの深い圧』を目的とする場合は目標層のディファンスを解除した状態で圧を持続させます。短時間で目標層のディファンスを解除できるように習練してください。




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