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若年性更年期障害

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若年性更年期障害

女性の身体について質問で... 投稿者:まいたけ 投稿日:2005/05/26(Thu) 01:05 No.652

教師猫さま、こんばんは。まいたけです。
今日は質問を持参しました。
前回の講習会で『現代の女性は子宮を酷使している』という内容のお話をしていただきましたが、そこから連想したことです。
「更年期障害」についてですが、女性が閉経する50歳前後に起こることがありますよね。
でも30代後半から始まる「若年性更年期障害」というものに悩む方も増えているようです。
「更年期障害」と「若年性更年期障害」の違いを教えてください。
また、30代で卵巣が衰えることで身体に自信が持てなくなる人も多いと思います。
そのような方にどのように接すればいいか、など・・・。
漠然とした質問で申し訳ありませんが、何かアドバイスをいただけたら、と思い書き込みました。
お返事をお待ちしております。

Re: 女性の身体について質...   投稿者:教師猫 投稿日:2005/05/27(Fri) 00:08 No.655

まいたけさん。こんばんは。

>今日は質問を持参しました。

ありがとう。教師猫が飢えずにすみます。

“『現代の女性は子宮を酷使している』という内容のお話をしていただきました” では読者に誤解を招きそうなので、一言。

『子宮を酷使している』とは、現代女性は様々な理由で初潮年齢は低下し、出産回数も少ない。
結果として、生涯に経験する月経回数が増加し、子宮は酷使されるという意味です。


>「更年期障害」についてですが、女性が閉経する50歳前後に起こることがありますよね。
>でも30代後半から始まる「若年性更年期障害」というものに悩む方も増えているようです。
>「更年期障害」と「若年性更年期障害」の違いを教えてください。

更年期のような症状がでるために「若年性更年期障害」と呼ぶ症例は、臨床現場においては、30代後半ではなく10代、20代の女性にもみられます。 「更年期障害」と「若年性更年期障害」の違いを一言で言えば、卵巣機能の低下の有無です。

>また、30代で卵巣が衰えることで身体に自信が持てなくなる人も多いと思います。

「若年性更年期障害」の根本的(初期)原因は卵巣機能の低下ではありません。
これをヒントに少し調べてみてください。

更年期障害についての・・...   投稿者:まいたけ 投稿日:2005/05/31(Tue) 00:02 No.659

教師猫さま、こんばんは。まいたけです。
先日書き込みました、若年性更年期障害についての質問を、今回もさせてください。
前回は
→「若年性更年期障害」の根本的(初期)原因は卵巣機能の低下ではありません。・・・
というヒントをいただきました。
しかし私の身の回りにある資料では、『ストレスが積み重なったことで卵巣の機能が低下し・・・』というような言葉がみられました。
以前見た、その症状のテレビの特集では、卵巣が年不相応にしわしわに縮んで卵子を放出できない状態で・・・というような説明とモデル図が流れました。
脂肪を落としすぎると月経が止まるというお話は聞いたことがありますが、このような症状に悩む方は違いますよね。
私の身の回りの方で、38歳の女性がいます。
1、2年前から月経の間隔が2ヶ月に一度くらいになり、月経血の量もガクンと減り、今では月経は3、4ヶ月に一度とのことなのです。
一番つらいのは、通常ならば月経が始まるころ・・・という時期の数日間だそうです。
「身体に余分な水分が溜まったような」と表現していましたが、身体が重だるくて何もやりたくなくなってしまうとか。
この方はまだ婦人科に行ってはいないので、それが『若年性~』というものかどうかはわかりません。
でもこういう方はわりと多いと思うのです。
どうか、この症状についてもう少し詳しく教えてください。

Re: 更年期障害についての...   投稿者:教師猫 投稿日:2005/05/31(Tue) 09:36 No.660

まいたけさん。こんにちは。

質問に飢えていたせいか、門外漢が質問に食いついてしまったと少々反省しています。

>私の身の回りにある資料では、『ストレスが積み重なったことで卵巣の機能が低下し・・・』と・・・
>テレビの特集では、卵巣が年不相応にしわしわに縮んで卵子を放出できない状態で・・・
>というような説明とモデル図が流れました。

「若年性更年期障害」で、“卵巣の機能が低下し、萎縮し卵子を放出できない状態”となるのは更年期に観られる“加齢に伴う卵巣の萎縮”ではなく、 『性腺刺激ホルモンの減少』による、卵巣の廃用性萎縮の結果です。

>一番つらいのは、通常ならば月経が始まるころ・・・という時期の数日間だそうです。
>「身体に余分な水分が溜まったような」と表現していましたが、
>身体が重だるくて何もやりたくなくなってしまうとか。
>この方はまだ婦人科に行ってはいないので・・・。

知人の方の主訴は“月経前浮腫”によるものと考えます。
さらに、月経前緊張症も合併症となり易くなりますので、早めに専門医での精密検査を勧めてください。
基礎体温表や個人データーが得られないので断言できませんが、「若年性更年期障害」の可能性は低いように感じます。
いずれにしても、即急に専門医へ。


「更年期障害」と「若年性更年期障害」の概要や指圧での対応法について
教師猫のQ&Aに書き込みますので参照してください。

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お答えします。

教師猫の指圧Q&A№16 治療における性差の考え方でも述べましたが、教師猫は『性差』により疾患の捉え方や施術法は異なると考えています。結果として、卵巣が萎縮(卵巣機能低下)し、卵胞ホルモン(エストロゲン)の量が徐々に低下してしまい、10代、20代の女性に、性成熟期から老年期への移行期(更年期)に生じる『更年期障害』のような症状がでる『若年性更年期障害』について、教師猫の私見と臨床経験を基に教師猫流に解説します。対応法は教師猫の私見であることを十分に考慮してください。


更年期

更年期とは、性成熟期から老年期への移行期間を呼びます。そのため、加齢を意味する『高』ではなく、入れ替わるという意味の『更』を用います。ですから、更年期は性差に関わらず訪れます。しかし、単に加齢現象と受け取れる男性の変化と、様々な症状を伴う女性の変化では、著しい性差があります。


更年期障害

男性の更年期障害の多くには『うつ症状』が診られます。抗うつ薬が無効という特徴があり、血液検査で男性ホルモンの著しい減少が認められ、男性ホルモン補充療法での改善が高効率で期待できます。

一般にいう『更年期障害』とは、女性独自の疾患で、閉経の前後に相当する45~55歳頃の約10年間に現れる身体の不快な症状をさします。熱感(ほてり・のぼせ)、発汗、不眠、頭痛、うつ症状などを含む様々な不定愁訴があります。卵巣機能が衰退し、女性ホルモン(卵胞ホルモン)が徐々に低下します。


若年性更年期障害

10代、20代の女性に更年期(または更年期障害)のような症状が出現し、悪化に伴い卵巣機能低下や閉経に至る『若年性更年期障害』は単なる更年期の低年齢化ではありません。40歳以前に性成熟期から老年期へ移行し、閉経した場合は、“早発閉経”と呼び、これに伴う障害は『早発性更年期障害』と呼びます。同年齢で同様の不定愁訴があっても、卵巣機能の衰退を起因として生じた卵胞ホルモンの分泌不足によって発症した『早発性更年期障害』と卵胞ホルモンの分泌を促すために脳から分泌される卵胞刺激ホルモン(性腺刺激ホルモン)が減少したことを起因として生じた卵胞ホルモンの分泌不足によって発症した『若年性更年期障害』とは異なります。〔文章を図になおすと分類が容易になります〕

若年性更年期障害と更年期障害に“卵胞ホルモン”の減少は共通しますが、“卵胞ホルモン”の分泌と関わる、脳から分泌される“卵胞刺激ホルモン”の血中濃度は著しく異なります。若年性更年期障害の原因となる“卵胞刺激ホルモン(性腺刺激ホルモン)”の分泌には“性腺刺激ホルモン放出ホルモン”が関わります。さらに、『排卵』という現象が生体のホメオスタシス(恒常性)のためには殆ど行なわれない“正のフィードバック”によって生じることを後の説明のため記憶に留めてください。


若年性更年期障害は自然な現象

人を哺乳類の一種である現生人類として捉え、有性生殖を行なう“雌雄の生理現象”という角度から、『現生人類の特性』を探れば、若年性更年期障害は、ごく自然な現象の結果と教師猫は考えています。

特別な生殖時期を持たず、気候や季節の影響を受けることは少ない『現生人類の生殖行動』ですが、心身の状態は、生殖行動に大きく影響を与えます。さらに、そこには、歴然とした性差が観察されます。

現生人類の『雄』は心身への負荷がかかると、「命が絶える前に子孫を残せ!」という強烈な“生命”の命令に従い、生殖行動は亢進されます。老木や環境悪化に直面した若木が大量の花粉をつける現象に似ています。余談ですが、家族の重大な事態(事故や急病など)を起因として、現生人類の『雄』の生殖行動が盛んになることも稀ではありません。くれぐれも、現生人類の『雄』の言動を“個人的人格”として評価せず、『男性』と『雄』を混同しないためにも、現生人類の『雄』の生殖行動を学んでください。

現生人類の『雌』は心身へ負荷がかかると、「子孫を残すために自己を守れ!」という強烈な“生命”の命令に従い、生殖行動は抑制されます。現生人類の心身への負荷に伴う生殖行動の性差の原因は、雌雄による配偶子に対する役割や関わり方の違いです。『雄』は自己の命を絶っても、自己の配偶子を『雌』に委ねることで、自己の配偶子(子孫)を残すことが可能です。しかし、『雌』では自己の命を絶てば自己の配偶子(子孫)を残すことは不可能となります。

現生人類の『雌』は心身への負荷がかかると、この危機を排卵の一時的休止(無排卵)で乗り切ります。性成熟女性の戦争による無排卵(戦争無月経)は代表的症例です。自己の命も危機に遭遇する戦争や動乱時に妊娠・出産・育児の困難さを推測すれば、現生人類の『雌』に対する無排卵の指示は“生命”の賢明な選択といえるでしょう。余談ですが、“荒野に華麗な大輪の花が、わずか一輪咲いている風景”と“名もなきみすぼらしい花が、見渡す限りに咲いている風景”のどちらを好み、どちらの風景に自分自身を溶け込ませたいと思いますか、現生人類の『雌』は“見渡す限りに花が咲いている風景”を好みます。なぜなら、平和で気候のいい環境の方が自己の配偶子を残すため(妊娠や育児)に有利だからです。
この選択結果は、女性ではなく“現生人類の雌”が強烈な“生命”の命令に従わされるからです。

『若年性更年期障害』の起因となるのは、“現生人類の雌”が受けた心身への負荷に対応するために“生命”の命令に従い行なう、生殖行動の抑制によって生じる排卵の一時休止(無排卵)です。医学的に『心身性無月経』です。“卵胞刺激ホルモン(性腺刺激ホルモン)”や“性腺刺激ホルモン放出ホルモン”由来の症状が継続されることで、卵巣には廃用性萎縮が生じます。性差意識が少なく複雑に絡み合う現代社会が“現生人類の雌”に与える心身への負荷を考慮すれば、『若年性更年期障害』の発症は、“ごく自然な現象の悲惨な結果”と教師猫には思えてしまいます。


若年性更年期障害(続く)

「更年期障害」と「若年性更年期障害」の概要について書いてみました。

「若年性更年期障害」の対応法について、【若年性更年期障害(続き)】をUPしました。




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