基本指圧の基礎-1
基本の基礎とは、その上に基本が成り立ち、最終的に、全ての指圧技術を積み上げるものです。そこに理論あるいは実践的な矛盾が生じてはなりません。基本の基礎とは、基礎であり基本ではないのです。基礎が成り立ち、基本が成り立つ。基本とその基礎を明確に区別し、基礎の習練を怠らないことです。
一般に、初対面の脳性麻痺児(特に幼児や精神遅滞児)に指圧を受け入れさせることは困難と考えられがちですが、少しテクニックがあれば短時間でも可能です。でも、押圧法独自の治療効果を期待するには(父母でもない限り)十分な基本技術の習得が必要です。
人の手指は足趾とは異なります。臨床の場で自らを破壊しないことも重要です。
講義では、通常圧法を例に押圧法習得法を説明します。
参考資料:受講前に熟読しておくこと。
通常圧法
1.体表に対し垂直に徐々に加圧
触診と共に目的圧を判断。微圧から目的圧まで圧の方向は垂直に維持。
加圧以前に加圧動作以前の動作をすべて終了させておくことが必要。
2.目的圧に達したら3~5秒持続
触診と共に目的圧の強さ、深さ、方向を維持。通常、動作は静止。
しかし、患者の(痛みや呼吸等による)変化に瞬時に対応する準備が不可欠。
なお、臨床においては、この段階での触診により圧法を決定。
3.静かに減圧
静かに減圧。(四指や患者を支えにしながらの減圧は厳禁)
4.移動
完全に減圧し、次の指圧点まで移動。(移動動作の習得が不可欠)
指圧(押圧法)は按摩とは異なります。なかでも按摩の圧迫法とは明確な区別が必要です。
指圧(押圧法)の圧加減はデジタル的であり、按摩の圧迫加減はアナログ的だと考えます。