抗重力機能とはどういう機能ですか
Q 抗重力機能とはどういう機能ですか
A 抗重力機能の『抗』とは逆らうことを意味します。“反対に働く”という意味で医学用語に多く使用されますので覚えてください。抗重力機能とは地球の重力に逆らう能力をいいます。私達は、常に地球の重力に逆らって行動しています。 しかし、地球の重力を意識しないのは十分な抗重力機能を備えているからです。
一般の魚を地上に放置すれば水中での姿勢を保つことはできません。これは、地上の重力(1G)に逆い、自身の姿勢を保つ抗重力機能を持たないためです。
抗重力機能は「高い」「低い」と表現します。魚より爬虫類、爬虫類より哺乳類の方が高い抗重力機能を持つといいます。抗重力機能に見合わない姿勢や運動および訓練は様々な障害の原因ともなります。抗重力機能に対する十分な知識と配慮が必要です。なお、重力に逆らう働きを持つ筋を「抗重力筋」と呼びます。
Q 筋肉の呼び方について教えてください
A 筋肉にはそれぞれ一つずつ固有の名前もありますが、その他に筋肉の持つ性質や運動の役割または形等で様々な呼び方をします。一般に筋肉とは、骨を動かす(身体の運動を行なう)ための筋肉が『筋肉』と呼ばれています。しかし、医学用語では骨を動かす筋肉は「骨格筋」と呼び、心臓以外の内臓の筋肉を「内臓筋」と呼びます。心臓も内臓なのですが、心臓の筋肉は他の筋肉と著しく異なり独自な筋肉のため、「心筋」と呼んでいます。
骨格筋も機能や構造で様々な呼び方をします。関節を曲げる働きを持つ筋肉を「屈筋」と呼び、伸ばす働きを持つ筋肉を「伸筋」と呼びます。また、それぞれの集まりを「屈筋群」または「伸筋群」と呼んでいます。
「拮抗筋」とは、相反する働きを持つ筋肉を呼びます。例えば、肘を曲げる筋肉(上腕筋や上腕二頭筋)に対して、肘を伸ばす筋肉(上腕三頭筋)を“肘を曲げる筋肉の拮抗筋”と呼びます。
筋肉の名前を覚える場合、相反する働きや一定の関係にある筋肉を、まとめて覚える方が後々便利だと思います。「抗重力筋」は、抗重力機能を持つ骨格筋で垂直方向に体を動かす筋肉のことです。抗重力筋と働きにより区別される(水平方向に移動するための)骨格筋は、「推進筋」と呼ばれています。
骨格筋は必ず関節をまたぎ、それぞれの骨に付着します。一個の関節をまたぐものを「単関節筋」、二個以上の関節をまたぐものを「多関節筋」と呼びます。
抗重力筋は機能解剖学的には「単関節筋」で、推進筋は「多関節筋」です。
≪機能習得訓練に重要な知識ですから、講義で詳しく説明いたします≫