03・治療室での習慣
ルールとなった慣習
“指圧治療院ひらしま”には、教師猫の個性から生じた、独特の『治療室での慣習』が多く、いつしかルールともなっています。“指圧治療院ひらしま”および教師猫のこの慣習は他の指圧治療院や治療師の患者対応とは異なる点が多いようです。
予約電話への対応
“指圧治療院ひらしま”の電話番号は公開しています。(電話帳に載っていると言う意味)
時折、治療依頼の電話があります。しかし、本院患者さんの紹介者を除けば、結果として殆どの予約電話を一旦は断ることが慣習になってしまいました。 その最大の理由は、当院が疾病治療専門の治療院であり、教師猫は意として慰安的な満足感を与える施術を行なわないためです。当院では治療依頼者に施術依頼の目的を確認し、現病や愁訴に対する問診を試みます。氏名や住所は明かして頂く必要はないのですが、問診に対応がなければ施術依頼をお断りいたしています。治療歴をたずね、病院での適切な治療や各種検査を受けられることを指導します。まず、病院への受診を積極的にすすめます。このように、事前に必要条件を満たした施術依頼者のみ治療の予約を受けることになりますが、予約の受け付けにも、1に継続2に再診、3・4がなくて5に初診という、継続治療中の患者さん優先で初診の患者さんは後回しという歴然とした“えこひいき(依怙贔屓)”があります。
こんなわけで、『初診の予約』が取りにくいのが“指圧治療院ひらしま”の現実のようです。
開口一番
初診の患者さんには初診カードを書いていただきます。治療室に誘導し、実に簡単な問診を行います。そして開口一番「治療に行ったら、先生(治療家)を信じて、全てを任せなさいという言葉がありますが、あれはウソですよ」「私は貴方のことを何も知らないのです。自分自身のことを何も知らない相手に任せてはいけません」戸惑いが患者さんを襲いますが、そんな事は全く意に介さず教師猫の説明が続きます。「ここで一番大切なことは、嫌なことはイヤということです。ここでは何事も絶対に我慢をしてはいけないのです」「質問は奇問・愚問・珍問などなど何でも結構です。知りたい事、疑問に感じる事を自由に聞いてください」「しかし、○○さんが最も知りたいことに答えられないと思います。それは、何回で治るのかといった内容の質問です」「条件が異なり、個人差が大きく、全く見当がつきません」
優先事項
その後、問診しますが、問診効率向上のため“質問に答えてもらう”という形式になります。教師猫は愁訴を熱心に聞くことは殆んどありません。患者さんが訴えることができる愁訴は簡単な質問に答える程度です。「まず、体を診ましょう」と質問の答え以外の愁訴は打ち切り、局所から全身の他覚的診断により他覚的診断結果に対する自覚を促します。簡単な表現をすれば患者さん自身の体の歪を確認してもらい、この身体の歪が現病と如何に関わるかを大雑把に説明します。身体の歪と現病や愁訴との関わりをイメージ的に理解してもらう事を目的にしています。その後、現病の他覚的改善の診断法について丹念に説明します。このことを教師猫は重要事項と捕らえ最優先します。患者さんに他覚的診断結果を自覚させ、他覚的改善診断法の指導に教師猫は実に熱心です。その理由は、患者さんから笑顔と料金、さらに次回の予約を頂くためです。
初診患者さんへのお願い?
当院では多くのことを患者さんに指示・指導・お願い?・・・します。現病に対する指示・指導は個々に異なり千差万別ですので、ここでは初診時にワンパターンで伝える内容のみ紹介しますが、ことごとく一般常識とは異なるようです。教師猫の意を読み込んでみてください。
「後日、外で、教師猫への挨拶は不要、教師猫も無視します」「待合室での他の患者さんとの会話禁止、友人の場合も挨拶のみ」「信じてはいけない、常に疑い、治療結果を冷静に判断し、そのために必要な質問を怠らない」「親子も他人、教師猫は守秘義務に徹する」
「外では挨拶をしてもいけないのですか」と、いぶかしがる患者さんも少なくないのですが、「貴方のプライバシーを守ってください」と答えます。教師猫の治療院は片田舎にあります。挨拶するだけで「あの人・だれ」と周りが聞いてきます。病院での待ち時間を活用し全ての入院患者をチェックする情報屋さんが多く、より多くの個人情報を入手し、その量の豊富さを競う集団があちこちに存在します。見知らぬ人さえ呼止め「何処が悪くて通院するのか」と問う人も珍しくはないのです。
教師猫のアドバイス
時には「○○さん、よく通っているけど、何処が悪いのですか」と治療院を訪れて質問する人さえ存在します。質問の理由を問うと「心配だから」という返事が返ってきます。教師猫は「何円ぐらい心配なのですか」と問い直します。教師猫の評判ですか・・・悪いと思います。
「具合が悪いと聞きつけて、大勢の人が心配してくれている」と喜んでいる患者さんに対し、相手の方は「手やお金を出してくれますか?それとも口だけですか?」と問いかけます。
“しっかり”と“うっかり”はわずか一字違いです。「しっかり事実を見て判断するように」と様々なアドバイスします。特に「具合が悪いと噂に聞いて、駆けつけるか否かのみで判断しないで、具合が良くなったと聞いてからの反応や態度を考慮して」とお願いしています。