脊柱側弯症とは
脊柱側弯症は脊柱に側弯が観察される疾患で、女子に多く、成長期に悪化傾向が見られます。
脊柱側弯症の発症や悪化原因を習慣的立位姿勢や生活習慣の悪さとし、しばしば、それらの改善を求められますが、運動機能障害児の同症発症や悪化原因を習慣的立位姿勢や生活習慣の悪さと考えるのは臨床的に同意できない現実をしばしば体験させられています。
上は重度脳性麻痺児の脊柱側弯症例写真です。一方は側弯が見やすいように背部のみ画像処理を行ないました。抗重力機能が低い重度脳性麻痺児では寝返りも不可能です。介護者のわずかな不注意でも褥瘡(とこずれ)を生じます。色素沈着も生じないほどの、注意深い献身的介護を受けていても脊柱側弯症は発症し、急速に進行する症例もまれではありません。
脊柱側弯症コルセット
脊柱側弯症は自覚より他覚的検査(学校等の健康診断)によってその多くが発見されます。
このことは脊柱側弯症が早期においてほとんど自覚症状を伴わないことを表しています。
脊柱側弯症の早期は経過観察が行なわれ、悪化に伴い生活指導やコルセットの着用、さらに外科的脊柱固定術、あるいは骨格筋や支配神経切断術なども施されています。
筋肉系へ早期の対応を
脊柱側弯症はその多くが学童期に発見されます。しかし、発症原因は特発性(原因不明)とされ、多くが無自覚のために経過観察となります。言いかえれば、早期に発見されても放置されているのが現実のようで、現状を踏まえ学校等の健康診断項目より削除される場合も生じています。初期の自覚症状は少ないのですが、悪化に伴い様々な不定愁訴が出現します。
脊柱側弯症状は骨格系に異常が認められます。しかし、初期には骨の器質的異常は認められず、筋肉系に他覚的異常が認められます。脊柱側弯症を骨格系の疾患としてとらえるのではなく、筋肉系に認められる他覚的異常に早期対応が望ましいと考えます。
脊柱側弯症検査法
脊柱側弯症の視診による簡易検査法を説明します。
簡易検査法ですから、確定診断は専門医への受診を指導してください。
【前屈検査法】
立位姿勢から両手を合わせ、肘を伸ばして、指先が正中面をたどるように徐々に前屈します。
肩峰から始め背部の左右の高さを比較します。
【シルエット検査法】
立位姿勢を撮影し左右の対象性を比較します。
注意:左右の上前腸骨棘を底辺として二等辺三角形を作る位置にカメラを設置する。
被験者に無理な直立姿勢を要求しない。
脊柱側弯症臨床例
写真は顕著な施術効果が一回の施術により得られた30代後半女性の脊柱側弯症臨床例です。
施術効果には著しい個人差があり十分な継続治療が必要となりますが、押圧法による施術にて確実に脊柱側弯とそれに伴う多くの愁訴や他覚的改善が認められます。