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第17回 足趾操作(加圧動作)

加圧動作における足趾操作

押圧法は、独自の手技です。独自の手技ですから、押圧法には押圧法独自の定義があります。さらに、独自の定義に基づいた基本があります。押圧法の定義や基本を正しく認識することは押圧法の習得には欠かせません。前項(移動動作における足趾操作)の説明と重複しますが、押圧法では、移動動作と加圧動作を明確に区別します。このため、水平方向に行なう操作と垂直方向に行なう操作は区別して習練します。押圧法は『手指で押す』手技ですが加圧を手指のみで操作することはありません。特定の筋肉を酷使せず特別な筋力を必要としない、さらに支点や力点を定めない操作には各操作の連動性も重要になります。各操作をそれぞれ正確に習得し、調和の取れた動作が必要です。加圧動作における足趾操作はわずかな操作で、他覚的判断や評価が最も困難な操作です。熟練者の加圧動作における足趾操作は押圧法初級習得レベル者には見極めさえ困難な操作です。一般の有資格者(指圧師)には加圧動作における足趾操作は認識さえされていない操作ですが、押圧法には必須操作です。

上手な圧迫

押圧操作の基本形である片膝立ち姿勢習得は加圧動作における足趾操作認識に始まります。
〔指圧研究会・咲晩〕では、加圧動作において足趾操作が抜ければ『上手な圧迫』と呼びます。

不合理な習得法

足元が不安定では、押圧法の基本である『自支』も困難です。スムーズな移動動作や高度な加圧動作を未熟な足趾操作で得ることは困難です。『片膝立ち姿勢習得は加圧動作における足趾操作認識』からです。しかし、本講座で加圧動作における足趾操作を説明・指導するのは、『基礎』から『応病』までのいずれのレベルにおいても教育課程の最終章になります。このことは本講座で不合理な習得法を指導しているという誤解を受ける原因になりそうです。

不合理な合理性

押圧法から必須条件を欠けば、押圧法とは呼べなくなります。しかし、必須条件のいくつかは取り除いても押圧は可能です。ただし、『自支』が欠ければ押圧は不可となります。押圧が不可であればいかなる条件を満たしても押圧法にはなりえません。堂々巡りになりますが、自支の安定には足趾操作の習得が近道です。しかし、本講座で足趾操作を説明・指導するのはいずれのレベルにおいても『最終章』です。その理由は押圧法が医療行為を目的とする手技であり、そのために診断即治療が可能な手指による押圧が不可欠とされるからです。足趾操作の習得は自支を安定させますが自支の安定が優先されると手指操作がおろそかになることも稀ではありません。押圧法においては全ての操作や動作が手指操作に誘導されます。表現を変えれば、押圧法において手指操作は、全ての操作に優先されます。あらゆる操作は手指操作の妨害となってはいけないのです。早すぎる足趾操作の習練や習得は高度な押圧法習得の妨げともなりえると心得てください。

足趾操作(加圧)前方下腿

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前方下肢操作の加圧直前と加圧中の姿勢を垂直方向の動きを理解しやすいように誇張しています。
下の写真にカーソルを重ねると加圧直前と加圧中の写真が入れ替わります。
加圧直前と加圧中の姿勢を比較し垂直方向の微妙な動作を観察してください。

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足趾操作(加圧)前方足趾

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前方下肢操作の加圧直前と加圧中の写真から前方足趾部分を拡大しました。この操作はあくまで前方下肢操作の一部拡大です。前方足趾を単独で操作しないようにしてください。単独で無理に操作すると足趾の痙攣を生じることがあります。

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足趾操作(加圧)後方下肢

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後方下肢操作の加圧直前と加圧中の姿勢を垂直方向の動きを理解しやすいように誇張しています。
下の写真にカーソルを重ねると加圧直前と加圧中の写真が入れ替わります。
加圧直前と加圧中の姿勢を比較し後方下肢操作における垂直方向の操作を観察してください。
〔前方大腿部の垂直方向操作も観察することができます〕

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足趾操作(加圧)後方下腿

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後方下腿操作の加圧直前と加圧中の姿勢を垂直方向の動きを理解しやすいように誇張しています。
下の写真にカーソルを重ねると加圧直前と加圧中の写真が入れ替わります。
加圧直前と加圧中の姿勢を比較し後方下腿操作における垂直方向の操作を観察してください。

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足趾操作(加圧)後方足趾

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後方足趾操作の加圧直前と加圧中の姿勢を垂直方向の動きを理解しやすいように誇張しています。
下の写真にカーソルを重ねると加圧直前と加圧中の写真が入れ替わります。
加圧直前と加圧中の姿勢を比較し後方足趾操作における垂直方向の操作を観察してください。

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