なぜ腹部指圧から?
Q 脳性麻痺児への指圧はなぜ腹部から始めるのですか?
A 必ず、腹部から始めてください。
最も安全な施術部位です。異常な反応(各種反射亢進・反射)や各種発作等を起こしにくい施術部位です。
指圧ポイントが点ではなく、面のため施術しやすいからです。
腹部には自律神経の副交感神経(迷走神経)が幅広く分布しています。
最も効果が期待できます。緊張緩和が短時間に可能です。
お互いの表情がわかり、コミュニケ-ションがとりやすい位置です。
各種判断がしやすい。(圧、継続か中止、他の部位の施術等の判断)
Q 施術を他の部位へ移す時は、どんな注意が必要ですか?
A 腹部の筋緊張が取れ、腹部が柔らかくなったのを確認し、腹部を押しながら、 上肢下肢を動かして下さい。施術前より上肢下肢の緊張が取れているのが確認できたら、施術部位を移動します。緊張が取れていない状態で上肢下肢を施術すると、伸張反射亢進が起きやすく、異常な反応や各種発作を誘発しやすいので危険です。(効果を急がず、入念な腹部指圧を心掛けてください)
伸張反射:正常反射で骨格筋の異常収縮による関節の脱臼等を守るためその筋の拮抗筋が伸張を感じ、反射的に収縮を起こすこと
Q 交感神経の緊張を緩めるには「前頚部」の指圧が効果的と指圧の本に書いてあったのですが
A 頚部の施術は指圧の大きな特徴で、一般的には安全な指圧施術部位です。但し、脳性小児麻痺児の場合、頚反射や発作を起こしやすく危険です。
特に、「前頚部」は最も過敏で指圧ポイントは「小さな点」です。
〔指圧研究会・咲晩〕の講師でも、種々の条件を満たさぬ限り、施術しません。
交感神経の緊張を緩めるには、最も安全な「腹部指圧」が有効です。