抗重力ブラ・11
乳房下垂の改善
構造や性質などを正しく理解することで、事実と根拠に乏しい商業ベースのくすぐる話かに分けることができ、自分の理想の選択が可能となります。
医学的根拠があり、シルエットとして明確に確認できるほどの乳房下垂改善法を3例挙げてみます。
1. 乳腺組織を増加させる。
2. バスト内の脂肪を増加させる。(シリコン等の充填を含む)
3. バスト上部の皮膚を減少させる。
上記の3例について具体例を挙げて説明します。
乳腺組織の増加による乳房下垂改善の具体例としては、授乳終了後に生じた乳房下垂が、次の妊娠により改善されることが挙げられます。また、環境ホルモン(生体に性ホルモンと類似した作用をもたらす化学物質)等の影響による乳腺組織の増加も時折報じられます。ビール工場でのホップの影響と考えられる少年の女性型乳房の出現はよく知られていますが、日常的ではありません。さらに、乳房マッサージ等の外部刺激により、乳腺組織の増加が顕著に認められるのは、妊娠や授乳中に限ると考えてください。
バスト内の脂肪を増加させることによる乳房下垂改善の具体例としては、美容整形外科医がおこなう脂肪注入法が最も知られていると考えます。身体の他部位から取り出した自身の脂肪を、バスト内に注入する手段です。豊胸を望む方には理想的ですが、バストの重さが増加するため術後の乳房下垂速度は促進されます。
また、腕やお腹の脂肪をマッサージ等によってバスト内へ注入するという風説がありますが、医学的根拠はありません。マッサージ等の物理的刺激により脂肪が顕著に移動することはありません。なお、マッサージ等の施術で、腹囲が数cmダウンすることは稀ではありません。ただし、腹囲の減少は、脂肪の減少や移動によるものではなく、水分(体液)の減少や移動によるものです。成人では、体重の約60~65%が水分です。そのため、発汗により減少させることや血管系やリンパ系の流れを利用して移動させることは、さほど困難ではありません。教師猫は、ちまたで人気の「脂肪もみ出し」を「水分もみ出し」と呼んでいます。
バスト上部の皮膚を減少させることによる乳房下垂改善の具体例は、美容整形外科医による乳房吊り上げ術が挙げられます。バストの伸張した皮膚を切除し、バランスを整え、乳輪部と周辺皮膚とを縫合する手段で、下垂が重度の場合は、脂肪組織等も切除するため、巨乳症患者にも対応が可能な手段です。
皮膚を切除せずに、バスト上部の皮膚を減少させることによる乳房下垂改善の手段もあります。これは、皮膚の持つ生理的な性質を利用する手段です。外科手術ほどの速効性は望めませんが、傷跡が残ることはありません。その一例が、抗重力ブラを着用する手段です。皮膚の持つ“引っ張られると伸びる”という性質については、抗重力ブラ・9で述べましたが、さらに皮膚には“引っ張られる力が減少すると縮む”という生理的性質もあります。
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