講義で「学問的には間違いですが・・・」といった説明がありますが、なぜですか? 正しく知りたいとも思うのですが
正確な学問的理解よりイメージ的理解の方が混乱が少ない内容や説明不足による誤解を避ける目的、または要点のみを印象づける目的で多用します。
正確に知りたい場合は、個人指導の時に質問してください。
限られた講義時間内に、“基礎から説明すれば膨大な内容”を無理矢理に詰め込んだり、飛躍したイメージ説明を行なうことがあります。講義が難解な医学の学術的知識習得より、家庭で指圧を行なうための実用知識習得を優先していることをご理解ください。議論のための議論や説明は避けたいと考えます。
学問的に正しい知識が日常において危険な知識になりうる例を上げてみます。「水は電気を通すか?」という質問に対する学問的答えは“通さない”ということになります。「そんな馬鹿な」と思われる方は多いと思います。 ここで言う「学問的な水」とは全く不純物を含まない純粋な水(超純水)を指します。超純水は完全な絶縁体ですから、全く電気を通しません。 しかし、私たちの日常に超純水は存在しません。超純水は絶縁体ですが、微量でも何かが溶け込めば途端に良導体に変わります。ですから、私たちの日常の知識としては「水は電気を通しやすい、濡手で電極を触るのは危険」と覚えることが必要です。しかし「水は電気を通す」と教えることは、学問的には誤りとなります。議論のための説明を終わります。
絶縁体:電気を通さないもの。
正しくは電気又は熱が極めて流れにくい物体。
良導体:電気を通すもの
正しくは電気又は熱の伝導率の比較的大きい物体。