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第6回 手指操作

手指操作について

手指操作の基本の基礎については指導を受けなければ認識さえ生じません。母指圧での手指操作の基本の基礎について概説します。正しい認識を持ち、繰り返し習練し、体得してください。

「未熟な手指操作技術で押圧法の治療効果を語らないで頂きたい」 指圧治療専門を業とし臨床現場で延べ10万人を超える患者と相対してきた押圧法臨床家の本音です。

【母指と四指の基礎訓練】・・・ボールとビー玉参照

  • 母指の基本形作り
  • 完全母指対立のための母指球筋の鍛練
  • 支えの四指の訓練。特に小指及び小指球筋の鍛練


手指操作順序

【操作順序と注意】
写真は操作順序のイメージです。写真のみで判断せず、説明の注意を十分に守ってください。
本講座ではレベルに応じて指導内容(要求精度)が異なります。詳細は担当講師が指導します。

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〔母指操作〕
母指は中手指節関節を屈曲させた完全母指対立基本形の母指形状にて、母指球筋に少し力を入れた状態で保ち、甘手指や苦手指に関わらず、母指指紋部中央を加圧点に接します。
母指球は指圧面(被術者の身体)に接しません。認識と十分な注意が必要です。
四指は、つかみ動作(Precision grip)で対象物を把握しやすいように力を抜きます。
これらの操作で加圧を行なうことはありません(加圧は厳禁)


〔四指操作〕
四指を中指、小指、示指、薬指の順に母指安定のための支え点(面)に追従させ、把握動作に入るための支え点(面)をとらえます。指紋部中央で指圧点に接した母指の形状を最も安定させる支え点(面)をそれぞれの“母指形状支え部位”又は単に“支え部位”とも呼びます。

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《中指》
中指“母指形状支え部位”に中指指紋部中央を接しとらえる。この“中指支え部位”の決定やとらえ方がその後の手指操作の優劣に重大な影響をおよぼします。 中指支え部位を先に決定し、その後に加圧点に母指を移動させるという(操作順序を誤った)操作を行なわないように、十分な注意が必要です。

《小指》
小指支え部位を小指全体で接し、捉える。小指はあくまで中指をさらに安定させる位置に追従させる。(小指球で小指球支え部位を捉えることもある)

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《示指》
示指は加圧点や支え点(面)の形状により、他とは独立して示指支え部位(示指の母指形状支え部位)に示指指紋部を接してとらえます。母指および中指に影響を与えない範囲で、中指より遠ざける技術が高度な(精度の高い)押圧操作には必要となってきます。

《薬指》
薬指は加圧点や支え点(面)の形状により中指又は小指に追従し薬指の母指形状支え部位をとらえ、手指操作の遊びに関わる重要な操作を担います。

〔備考〕
指圧部位により、小指と示指の役割が入れ代わることがあります。四指及び小指球はそれぞれの支え部位をとらえますが、加圧は行ないません。


関節操作

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手指および手根関節の操作を手指および手根関節の“しめ”と呼んでいます。
これは加圧部位の把握とその安定を目的とし、加圧には全く関わりません。
(関節操作法は指圧姿勢や指圧部位、圧法等によっても異なります)
関節操作法については別項にて説明します。

【手指操作の備考】
手指操作の習得は、診断即治療技術の基本です。さらに施術者自身の手指疾病予防にも重要です。
押圧法では手指の単関節筋および上肢の多関節筋を駆使し加圧操作を行なうことはありません。


患者の心をつかむ一瞬の技

患者さんは病んでいます。患い人は必要以上の警戒心を携えて訪れます。特に、初診患者さんは笑顔に疑心暗鬼を隠しメンタルディファンスはMaxです。患者さんの体に手指が触れた瞬間に手指操作技術の優劣が結果として表れます。操作技術が劣れば激しいマッスルディファンスとの攻防に終始します。優れた手指操作技術は、喜怒哀楽さえ読み取れない脳性麻痺児の心さえ瞬時に把握します。

手指操作の習得は押圧効果に絶大な影響を与えるという認識を持って、基礎訓練に励んでください。
ディファンスについては別項で説明します。








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