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危険な指圧姿勢

危険な指圧姿勢

指圧の危険性については指圧は痛いほど効くのですかでも触れましたが、指圧は(業として行なうには)指圧師免許(国家資格)が必要な技術です。ここでは、家庭で安全にお子さんを指圧して頂くために、保護者の皆さんへの禁止項目である『危険な指圧姿勢』と指圧(押圧法)独自の操作である『自支操作』について説明します。『危険な指圧姿勢』と共に、指圧(押圧法)の独自性や安全に指圧行なうために必要な『自支操作』をイメージ的に理解してください。


業とは

無免許者(無資格者)が指圧を業とすることは、法律により厳しく罰されます。
指圧を業とするには、最低条件として、指圧師免許(国家資格)が必要です。

指圧を業とするとは、金品の授受に関わらず、不特定多数の人々に、繰り返し指圧することを意味します。謝礼を受け取らない善意のボランティアでも、相手に乞われて行なっても違法行為となり、法律により厳しく罰されます。

医者ではない人が、メスを持って手術を行なうことを、あなたはどう思いますか。謝礼を受け取らない、完全な善意のボランティアであれば、あなたはその行為を許しますか。技術がいかに優れていようと、許される行為ではないと考えます。『医師法』も『指圧師法』も医師や指圧師の職業独占を守るための法律ではなく、国民の安全を守るためのものです。有資格者はその旨を託された者です。

親子や家族で行なう指圧(ここでは家庭指圧と呼んでいます)が法律で罰されることはありませんが、指圧は医療行為です。注意事項は十分に守ってください。


自支操作は指圧(押圧法)独自の操作

指圧(押圧法)とあん摩(圧迫法)の基本的な相異の1つに“自支操作”の有無があります。“自支操作”とは施術の安全性を高めるために、施術中に施術者が“自身を自身で”支える操作です。これは、指圧(押圧法)独自の操作です。

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上下段の写真は、専門用語で『最大スタンス』と呼ばれる、片膝立ち姿勢です。 指圧(押圧法)の操作では、終始施術者が“自身を自身で”支えて加圧します。
このような加圧を『押圧』と呼び、施術者が自支を行なわず、受け手にもたれて、受け手を支えとする加圧を『圧迫』と呼んで、明確に区別します。

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〔押圧法においては、全ての状態を自支していることを認識してください〕


押圧と圧迫の相異

遺憾ですが、押圧と圧迫の加圧の違いを明確には区別することは、有資格者でさえ少ないようです。最大の理由は圧迫に対する危険教育の欠如による認識の低さです。さらに、双方を明確に区別する意識低下の原因として、双方とも同一姿勢で施術可能なため、双方の相異を施術姿勢や写真のみで判断することが困難であることがあげられると考えます。

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写真は、片膝立ち姿勢による指圧(押圧)操作の1コマです。押し手(施術者)の自支がなければ、受け手の腹部は押し手の全体重がのった、圧迫刺激を受けることになります。施術者が訓練により獲得した、自支操作を駆使することにより、指圧(押圧法)の安全かつ自在な押圧刺激が得られるのです。


片膝立ち姿勢はプロの技

指圧(押圧)姿勢の中で、『最大スタンス』と呼ばれる片膝立ち姿勢が最も基本の指圧(押圧)姿勢です。指圧師は職業として指圧(押圧)を行ないます。長時間におよぶ指圧(押圧)操作に求められることは、押圧を安全に正確かつ精密に繰り返し最大の押圧効果を得ることだけでなく、指圧師自身の身体に負荷が少ない指圧(押圧)姿勢です。『最大スタンス操作』と呼ぶ片膝立ち姿勢による操作は、支点力点を定めない、特別な筋力を必要としない省エネ姿勢の加圧操作です。


片膝立ち姿勢は“枕相手”でも禁止します

指圧(押圧)姿勢の中で、最も習練を必要とするのが専門用語で『最大スタンス』と呼ばれる片膝立ち姿勢です。自支操作を習得できずに、片膝立ち姿勢で加圧を行なうのは受け手(被術者)のみならず、押し手(施術者)の健康を害します。 まさに自支のできない片膝立ち姿勢での加圧は「受け手も押し手も地獄」です。 片膝立ち姿勢での指圧(押圧法)は、習練を重ねたプロの技術です。

『てのひらの会・咲夢』の皆さんの片膝立ち姿勢での押圧法習得は困難です。
事故防止のため、片膝立ち姿勢は“枕相手の練習”さえ、全て禁止します。








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