骨粗鬆症と石灰沈着
骨粗鬆症と石灰沈着
高齢化が進み、骨折→寝たきり→痴呆が急増しています。
これに伴い骨粗鬆症や骨密度に対する関心が高まっています。
写真は、骨密度が正常なけい骨の断面とその一部を拡大したものです。
骨の強度は骨梁に関わることや骨の構造が本来『疎』であることを患者に認識させてください。
肩関節ヘリカルCT
写真は肩関節のヘリカルCTです。上腕骨上部に石灰沈着が認められます。
区別しやすいよう石灰沈着部を着色(写真:右)しました。
骨粗鬆症の原因
昨今、骨粗鬆症の第一原因として体内のカルシウム不足が挙げられています。その誘因として閉経に伴う女性ホルモンの減少による体内カルシウムの流失が挙げられ、カルシウムの大量摂取を促す声が大きくなっています。確かに、骨の材料となるカルシウム不足は注意が必要です。しかし『カルシウムの大量摂取が骨を丈夫にする』という患者の考えや行動をカルシウムが“骨の単なる材料”であることや骨代謝(破骨細胞と骨芽細胞の働き)および骨刺激(骨芽細胞の活性化)などの説明により改めさせ、正しい骨粗鬆症の予防法や指圧の有効性を示すべきだと考えます。
〔備考〕
(単位や計算法を間違えている可能性があります。確認は各自行なってください)
骨粗鬆症や更年期障害と関わるのは、加齢などの卵巣機能低下に伴う、ホルモン分泌量の減少です。対症療法としてホルモン補充療法が注目を浴びています。もちろん、分泌不足を正確に補えば症状の改善は認められると考えますが、生理的に減少していくものを補充していくことに疑問も感じます。さらに症状出現の個人差から推定すると女性ホルモンの分泌量減少にはかなりの個人差があると考えます。これらに正確に対応する補充が可能なのかも疑問です。20~30代の正常な女性のホルモン量は、血液1ミリリットル中100~150ピコグラムといわれています。1ピコグラムとは1兆分の1グラムですから、体重52キログラム女性の全血液(4リットル)中に含まれる量は0.0000004グラムから0.0000006グラムとなり、女性ホルモン1グラム集めるのに20~30代女性の200万人前後の全血液が必要となります。日本中の女性を集めてもほんの数グラムです。(単位や計算法を間違えていたら、正しい数値を教えてください)